１５年 タイガースvsイーグルス ３回戦

4月1日 （月） 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計　
0 0 0 0 0 0 3 0 0  3 タイガース  ６勝４敗１分 0.600 木下勇
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 イーグルス ４勝６敗１分 0.400 亀田忠

勝利投手 木下勇 ３勝２敗
敗戦投手 亀田忠 ３勝４敗

二塁打　（タ）本堂　（イ）中河

勝利打点　松木謙治郎　１


木下勇今季2度目の完封

　タイガースは初回、先頭のジミー堀尾文人が四球で出塁、皆川定之が左前打で続いて無死一二塁、しかし本堂保次は左飛、カイザー田中義雄の二直に二走堀尾が飛び出しダブルプレー。4回までは亀田忠のドロップが打てず３イニング連続三者凡退。

　一方イーグルスは1回裏、二死後中河美芳が中前打を放つが菅利雄は遊ゴロに倒れる。2回、先頭の亀田が右前打で出塁、寺内一隆がストレートの四球、竹内功の右前打で無死満塁、しかし清家忠太郎の二ゴロで中河は本封、山田潔の投ゴロで寺内も本封、これはスクイズ失敗の可能性がある。トップに返り岡田福吉は中飛に倒れて三者残塁。3回も一死後中河が左中間に二塁打を放つが菅は中飛、亀田は右飛に倒れる。序盤戦はイーグルスが押し気味に試合を進めた。

　4回～6回も岡田宗芳のヒット1本に抑えられてきたタイガースは7回、一死後本堂が左中間に二塁打、田中の右前打で一死一三塁、松木謙治郎が右前に先制タイムリー、一死一二塁から田中が一塁牽制の隙にディレードスチールを成功させて一死一三塁、岡田が右前にタイムリーを放ってなお一死一三塁、伊賀上良平の二塁内野安打で3-0とする。

　タイガース先発の木下勇は4回以降イーグルス打線を亀田の中前打1本に抑え、5安打1四球2三振で今季2度目の完封を飾り3勝目をあげる。

　両チーム無失策の引き締まった試合であった。



　木下勇は米子中学出身のアンダーハンド。粘り強いピッチングが身上である。1942年に引退して43年は大阪鉄道局米子に所属するが44年に南海でプロに復帰する。戦後は46年は米子中学のコーチ、47年は大阪鉄道管理局に所属し、48年に大陽ロビンスでプロに復帰し、50年に西鉄に移籍して52年限りで引退、結局プロでは通算70勝をあげることとなる。引退後は山陰高校野球界の指導者として複数校で甲子園に出場し、岡本利之と共に山陰球界を引っ張ることとなる。ピッチングスタイル同様の粘り強い野球人生を歩むこととなる。











　　　　　　　　　　　　　　＊木下勇は今季２度目の完封で３勝目をあげる。