2012年7月11日水曜日

15年 名古屋vsジャイアンツ 1回戦


4月1日 (月) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8  9  計
0 0 0 0 0 0 0 0  0   0 名古屋        7勝3敗 0.700  松尾幸造
0 0 0 0 0 0 0 0 1X 1 ジャイアンツ 8勝4敗 0.667  スタルヒン


勝利投手 スタルヒン 5勝1敗
敗戦投手 松尾幸造  1勝2敗
二塁打 (名)吉田 (ジ)水原、川上

勝利打点 川上哲治 1


首位攻防戦

 いよいよ快調名古屋と本命ジャイアンツの今季初対決。ジャイアンツはスタルヒン、名古屋は松尾幸造が先発、15時ちょうど沢東洋男プレートアンパイヤの右手が上がってプレイボール。ジャイアンツは今日も千葉茂が出場できずセカンドに平山菊二を起用する。

 名古屋は3回まで三者凡退。スタルヒンは村瀬一三、大沢清、三浦敏一と各回の先頭打者をいずれも三振に斬って取る。

 ジャイアンツは初回、一死後水原茂がセンター右奥に二塁打、中島治康に遊ゴロで水原が三塁に走りショート村瀬は三塁に送球するがセーフ、野選となって一死一三塁、しかし川上哲治の二ゴロは「4-6-3」と渡ってダブルプレー。2回は二死後林清一が右前打を放つが無得点。3回、一死後白石敏男が中前打で出塁、しかし水原の三ゴロは「5-4-3」と渡って又もダブルプレー。序盤戦はジャイアンツが押し気味に進めるが2つの併殺で流れは変わった。

 名古屋は4回、二死後桝嘉一が7球粘って四球で出塁、大沢の右翼線ヒットで二死一三塁、しかし吉田猪佐喜は三振に倒れる。5回、先頭の中村三郎が左前打で出塁、しかし三浦の二ゴロは「4-6-3」と渡ってダブルプレー、ここは急造セカンドの平山が落ち着いて捌いた。6回は三者凡退に終わるが7回、一死後大沢が8球粘って四球で出塁、吉田の中越え二塁打で一死二三塁、中村は8球粘るが三振、三浦は遊ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。8回、芳賀直一の中前打、松尾の左翼線ヒットで無死一二塁、翌日の読売新聞によると送りバントがハーフライナーとなってサード水原の頭上を越えたとのこと。しかしここも村瀬が三振、石田政良は一ゴロ、桝は三振に倒れる。9回、先頭の大沢が四球で出塁、吉田の4球目に大沢が二盗、更にこの投球をキャッチャー吉原正喜がパスボールして大沢は三塁に進む。吉田は捕ゴロに倒れて一死三塁、中村の二ゴロで大沢がホームに突っ込むがセカンド平山からの返球にタッチアウト、芳賀直一も二直に倒れて9回まで無得点。

 名古屋先発の松尾は中盤素晴らしいピッチングを見せて4回一死後川上に中前打を許して以降8回まで無安打1四球の好投を続ける。中盤以降は名古屋が押し気味にゲームを進めてきた。

 ジャイアンツは9回裏、先頭の水原は右飛に倒れるが中島が中前打を放って出塁、川上がツースリーから左中間を抜いて中島がサヨナラのホームを踏む。翌日の読売新聞によるとエンドランが掛かっていたとのことである。

 スタルヒンはピンチを悉く三振で切り抜けて5安打4四球10三振で今季3度目の完封を飾り5勝目をあげる。松尾幸造も6安打1四球8三振の好投を見せた。


 首位攻防戦に相応しい稀に見る名勝負であった。大和球士著「真説 日本野球史」昭和篇その四にもこの試合の経過が描かれています。但し所々間違っています。特に肝腎のスターティングラインナップが間違っていますのでご注意ください(私が見ているのは第1版第2刷です)。真実は当ブログとなりますのでお持ちの方は読み比べてみてください。同著によると川上のサヨナラ打は松尾の外角球を叩いたもので凄まじい弾丸ライナーとなってレフト吉田猪佐喜のグラブを弾き左翼線に転がっていく間に中島がホームに還ってきたとのことです。








             *スタルヒンは今季3打目の完封で5勝目をあげる。















     *白熱の首位攻防戦を伝えるスコアカード。












 

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