2015年8月5日水曜日

17年 朝日vs名古屋 11回戦


9月12日 (土) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 0 1 0 1 0 3 朝日     30勝38敗3分 0.441 林安夫
1 0 0 0 0 0 0 3 X 4 名古屋 26勝43敗2分 0.377 河村章
勝利投手 河村章   7勝13敗
敗戦投手 林安夫 19勝18敗

二塁打 (名)小鶴 2
本塁打 (名)古川 5号

勝利打点 古川清蔵 8

猛打賞 (朝)五味芳夫 2 (名)吉田猪佐喜 2、小鶴誠 3


河村章、戦前最後の勝利

 名古屋は今月末に入営する河村章が先発。「飯塚誠」の偽名を使ってきた小鶴誠がこの試合から「小鶴誠」を名乗ることとなった。

 名古屋は初回、先頭の石丸藤吉がライト線にヒット、岩本章の三ゴロの間に石丸は二進、本田親喜は三振に倒れて二死二塁、吉田猪佐喜が中前に先制タイムリーを放って1-0とする。

 名古屋は2回、先頭の「小鶴誠」がレフト線に二塁打、小鶴としての初打席は二塁打だった。この回は無得点。

 朝日は4回、今月で応召する五味芳夫が中前打で出塁、二盗を決めて無死二塁、今月で応召する鬼頭政一がストレートの四球を選んで無死一二塁、岩田次男の投前送りバントが野選を誘い無死満塁、浅原直人は一邪飛、林安夫は投邪飛に倒れて二死満塁、広田修三の三塁内野安打で1-1の同点、今月で応召する伊勢川真澄は二飛に倒れて同点止まり。朝日は室脇正信を含めて4人が今月応召する。

 朝日は6回、二死後浅原の遊ゴロをショート木村進一が一塁に悪送球して浅原は二塁に進み、林の中前タイムリーで2-1と逆転する。

 朝日は8回、先頭の五味が猛打賞となる3本目のヒットを右前に放って出塁、鬼頭が送って一死二塁、五味がこの試合2個目の盗塁となる三盗を決め、キャッチャー古川清蔵の三塁悪送球の間に五味が一気に生還、3-1として試合は決まったかに見えた。

 名古屋は8回裏、先頭の岩本が中前に快打を放って出塁、本田の三ゴロはゲッツーかと見えたがサード景浦賢一からの二塁送球が悪送球となって無死二三塁、吉田は捕邪飛に倒れて一死二三塁、ここで8回に手痛い悪送球を犯した古川がレフトスタンドに逆転スリーランを叩き込んで4-3とする。続く小鶴は左中間位この日2本目の二塁打、木村は二ゴロ、河村は左飛に倒れて1点差で9回を迎える。

 朝日は9回表、先頭の林がレフト線にヒットを放つが二塁を欲張り、レフト強肩の吉田からの送球にタッチアウト、広田が四球を選んで出塁するが、伊勢川の投ゴロが「1-4-3」と渡ってダブルプレー、名古屋が鮮やかな逆転勝利を飾った。


 名古屋は四番の吉田猪佐喜と改名後初戦の小鶴誠が猛打賞を記録、小鶴は二塁打2本の活躍であった。


 河村章は6安打4四球1三振で完投、7勝目をあげる。今月で応召する河村はこれが戦前最後の勝利投手となった。


 こちらも今月で応召する五味芳夫が4打数3安打2得点2盗塁と鬼気迫る活躍。昭和12年に金鯱に入団した五味芳夫の活躍はこれまで当ブログで余すところなくお伝えしてきました。「くせ者」ぶりをお伝えできるのももう少しとなったしまいました。




*河村章は6安打完投で7勝目、これが戦前最後の勝利投手となった。






*「小鶴誠」の名前が初めてスコアカードに登場した。





*「雑記」欄には「小鶴誠は飯塚の改姓」と書かれている。



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