2015年8月16日日曜日

17年 阪急vs大洋 12回戦


9月16日 (水) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 0 0 0 1 2 阪急 37勝35敗2分 0.514 笠松実 森弘太郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 大洋 44勝25敗5分 0.638 三富恒雄

勝利投手 笠松実     13勝13敗
敗戦投手 三富恒雄 11勝9敗
セーブ     森弘太郎  4

勝利打点 黒田健吾 7


大洋、9連勝でストップ

 阪急は初回、先頭の西村正夫が四球で出塁、フランク山田伝が右前打、上田藤夫のバントが内野安打となって無死満塁、黒田健吾の三ゴロの間に三走西村が還って1点を先制、山下好一の三塁ライナーはサード中村信一がそのまま三塁ベースを踏んで無補殺併殺。

 阪急先発の笠松実はスコアリングポジションに走者を背負いながら得点を許さない。初回、一死後濃人渉に内野安打から二盗を許すが、村松長太郎を左飛、野口明を二飛に打ち取る。3回、一死後織辺由三、中村信一に連打を許し二塁牽制をセカンド上田が後逸して一死一三塁のピンチを迎えるが、濃人渉を二飛、村松を三ゴロに打ち取る。4回は野口明、二郎兄弟に連打を許して無死一二塁とするが、三富恒雄をセンターライナー、浅岡三郎を三邪飛、宇野錦次を右飛に打ち取る。6回は先頭の村松に四球を与えて二盗を許し、野口明を中飛に打ち取り一死二塁、野口二郎のショートライナーに二走村松が飛び出し中村栄が二塁ベースを踏んで無補殺併殺。

 7回は先頭の三富に中前打を打たれ、浅岡にストレートの四球、宇野の送りバントは一飛となって失敗、織辺由三を左飛に打ち取り二死一二塁、トップに返り中村信一に四球を与えて二死満塁、濃人の初球にボールをあたえたところで笠松は力尽き、森弘太郎がリリーフのマウンドに上がる。森は濃人を左邪飛に抑えてスリーアウトチェンジ。

 阪急は9回、一死後黒田が遊ゴロ、ショート中村栄からの送球をファースト野口二郎が落球、山下好一の三ゴロが「5-4-3」と渡るがセカンド宇野からの一塁送球が悪送球となって山下好一は二塁に進み二死二塁、森田定雄が左前に貴重な追加点となるタイムリーを放って2-0とする。

 リリーフの森は8回、9回を三者凡退に抑えて阪急が完封リレーで逃げ切る。10連勝を狙った大洋は9連勝でストップした。


 笠松実は6回3分の2を6安打3四球無三振無失点で13勝目をマーク。森弘太郎は2回3分の1を無安打無四球1三振無失点に抑えて4セーブ目、神田武夫と並んでセーブ王争いのトップに立った。


 貴重な追撃打を放った森田定雄は岐阜商業-阪急を通じて強打を見せて当ブログは「最も無名の最強打者」と呼んでいる。8月15日の季節になると、5人が戦死した岐阜商業の話がマスコミを賑わす。昭和11年の岐阜商業のメンバーはピッチャー松井栄造、キャッチャー加藤三郎、ファースト森田定雄、セカンド長良治雄、サード加藤義男、ショート近藤清である。ダイヤモンドを囲った6人のうち5人が戦死して森田定雄だけが生き残った。一人生き残った森田定雄が話題となることはない。


 

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