2015年8月27日木曜日

17年 阪神vs巨人 11回戦


9月22日 (火) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 0 0 0 1 2 阪神 39勝34敗3分 0.534 御園生崇男
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 巨人 51勝21敗4分 0.708 中尾輝三

勝利投手 御園生崇男 11勝10敗
敗戦投手 中尾輝三     13勝8敗

二塁打 (神)塚本 (巨)小暮、坂本

勝利打点 塚本博睦 1



中尾輝三、戦前最後の登板

 阪神は2回、一死後カイザー田中義雄が左前打で出塁、御園生崇男の三前バントが犠打となって二死二塁、しかし二走田中はピッチャー中尾輝三からの牽制球にタッチアウト。

 阪神は5回、二死後三輪裕章が四球で出塁すると二盗に成功、塚本博睦がレフト線に二塁打を放って1点を先制する。

 巨人は5回裏、先頭の坂本茂が左前打で出塁、小池繁雄が送って一死二塁、しかし中尾は左飛、トップに返り呉波も左邪飛に倒れて無得点。

 巨人は6回、先頭の白石敏男がレフト線にヒット、楠安夫は中飛に倒れるが、中島治康の左飛をレフト山口政信が落球して一死一二塁、しかし伊藤健太郎の投ゴロが「1-6-3」と渡ってダブルプレー。

 巨人は8回、先頭の中尾がストレートの四球で出塁、トップに返り呉も四球、白石が一塁線に送りバントを決めて一死二三塁、楠も四球を選んで一死満塁として打席に四番中島を迎える。阪神ベンチはここで守備陣を変更、レフトの山口に代えて松尾五郎を入れ、ファーストの門前真佐人を下げてライトの藤井勇をファーストに回し、ライトに金田正泰を入れた。戦場から還って間もない山口政信の守備には不安が残るようで、外野守備を固める布陣を敷いたのである。ここで中島の打球はレフトに上がり、代わったばかりの松尾が捕球すると三走中尾がスタート、しかし松尾からのバックホームにタッチアウト、阪神のベンチワークが勝利した瞬間であった。

 阪神は9回、一死後土井垣武が二遊間に内野安打、野口昇が四球を選んで一死一二塁、三輪裕章の三前バントが内野安打となって一死満塁、トップに返り塚本は一邪飛に倒れて二死満塁、藤井が押出し四球を選んでダメ押しとも言える2点目をあげる。

 巨人は9回裏、二死後坂本が右中間に二塁打を放ち、小池に代えて期待のルーキー青田昇を代打に送るが中飛に倒れてゲームセット。水原、川上を欠いた巨人に反撃の力は残されていなかった。


 御園生崇男は5安打5四球4三振で今季3度目の完封。巨人の完封負けは6月13日に函館で南海・川崎徳次に喫して以来となる。


 中尾輝三は9回を完投して6安打7四球2三振。中尾はこの試合を最後に戦場に赴き、これが戦前最後の登板となった。最後の失点が押出し四球、最後まで中尾らしさを貫いた。戦後も巨人の主力投手として投げ続けることとなり昭和23年には27勝をマークして最多勝。現役引退後も長くコーチ、二軍監督を務め、野球殿堂入りすることとなる。


 土井垣武もこの試合を最後に応召、戦前最後の試合であった。戦前も強打の片鱗をみせてきたが、本領を発揮するのは戦後のこととなる。阪神に復帰して‟ダイナマイト打線”の主軸となり、二リーグ分裂時に毎日に移籍してパリーグ初年度優勝に貢献、初の日本シリーズでも四番を打って初代チャンピオンに輝くこととなる。






*御園生崇男は完封で11勝目。中尾輝三は戦前最後の登板となった。






 

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