9月14日 (月) 甲子園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 2 0 0 0 2 阪神 37勝34敗2分 0.521 三輪八郎 玉置玉一 仁科栄三 木下勇 藤村隆男
2 0 0 0 0 0 1 0 X 3 大洋 44勝24敗5分 0.647 古谷倉之助 重松通雄 野口二郎
勝利投手 重松通雄 3勝3敗
敗戦投手 木下勇 7勝7敗
セーブ 野口二郎 2
二塁打 (神)山口
三塁打 (神)塚本
勝利打点 浅岡三郎 3
浅岡三郎が決勝打
阪神は初回、先頭の塚本博睦がいきまり右中間に三塁打、ところが野口昇は三飛、藤井勇は浅い中飛、門前真佐人は三振に倒れて無得点。阪神の敗因はこのシーンに尽きると言えるかもしれない。
大洋は1回裏、先頭の中村信一がストレートの四球で出塁、濃人渉の三塁内野安打で無死一二塁、村松長太郎が四球を選んで無死満塁、野口明の左犠飛で1点を先制、レフト山口政信からの返球を受けたサード前川正義が一走村松の離塁を見て一塁に送球するがこれが悪送球となる間に二走濃人が二塁ベースに戻ってからスタートを切って一気にホームに還り2-0とする。一走村松も一度帰塁してから三塁に進んで一死三塁、織辺由三の中飛で三走村松がホームに還るが、村松のスタートがレフト山口政信の捕球よりも早く、アピールプレーが成立して併殺が記録された。
阪神は2回以降ヒットが出ず5回まで無安打。
阪神は6回、一死後野口に代わる代打金田正泰が四球を選んで出塁すると二盗に成功、藤井がライト線にタイムリーを放って1-2、門前は三振に倒れるが藤井が二盗を決めて二死二塁、山口が左前に同点タイムリーを放って2-2と追い付く。
大洋は7回から先発の古谷倉之助に代えて重松通雄をマウンドに送る。
大洋は7回裏、二死後重松が二遊間に内野安打、セカンド仁科栄三の一塁送球が悪送球となる間に重松は二塁に進み、浅岡三郎が右前にタイムリーを放ち3-2と勝ち越す。
阪神は9回、先頭の山口が左越えに二塁打、大洋ベンチはここで重松から野口二郎にスイッチ、土井垣武は中飛、カイザー田中義雄の遊ゴロショート濃人渉がエラー、二走山口は自重して一死一二塁、藤村隆男に代わる代打若林忠志の二ゴロの間に二者進塁して二死二三塁、三輪裕章に代わる代打高山泰夫が三振に倒れてゲームセット。
大洋は阪神が繰り出す5投手から9個の四球と1個の死球を得て4回を除いて毎回のように塁上に走者を送り込んだが12残塁を記録した。
阪神のスタメンサードに起用された前川正義は今季東邦商業から入団して通算5試合に出場、今日の1打数無安打1三振がプロでの打撃成績の全てとなり、10月には応召して戦死することとなる。
前川は東邦商業時代、昭和15年のセンバツと夏の甲子園には九番サードで出場、翌16年センバツには三番サードで出場して優勝に貢献、4試合で16打数6安打を記録して「優秀選手賞」に選出された。「選抜高等学校野球大会50年史」では「前川政茂」となっている。
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