9月16日 (水) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 3 0 0 0 0 0 0 0 3 巨人 51勝20敗3分 0.718 川畑博 中尾輝三
3 0 2 0 0 0 0 1 X 6 大和 19勝47敗8分 0.288 松本操 石原繁三
勝利投手 石原繁三 13勝20敗
敗戦投手 川畑博 0勝2敗
二塁打 (和)木下
本塁打 (和)富松 1号
勝利打点 なし
連続ダブルスチール
巨人は広瀬習一が虫垂炎で離脱して川畑博が先発。
大和は初回、先頭の山田潔が三塁に内野安打、巨人は水原茂が応召してサードには青田昇が入っている。水原だったらどうであったか。木村孝平の三ゴロをその青田がエラー、玉腰忠義が四球を選んで無死満塁、金子裕の二ゴロで玉腰が二封される間に三走山田が還って1点を先制、木下政文がレフト線に二塁打を放って2-0として一死二三塁、富松信彦の中犠飛で3-0とする。
巨人は2回、先頭の中島治康が四球を選んで出塁、楠安夫は中前打、青田の右前打で無死満塁、大和ベンチはここで先発の松本操から石原繁三にスイッチ、林清一が押出し四球を選んで1-3、坂本茂は三振に倒れるが、川畑の右犠飛で2-3、トップに返り呉波が四球を選んで二死満塁、白石敏男がセンター左に同点タイムリーを放って3-3に追い付く。
大和は3回裏、先頭の木村が四球を選んで出塁、玉腰の右翼線ヒットで無死一三塁、巨人ベンチはここで川畑を下げて中尾輝三がマウンドに上がる。玉腰が二盗を決めるが金子は三邪飛に倒れて一死二三塁、木下も一邪飛に倒れて二死二三塁、富松信彦は四球、そのフォアボール目にダブルスチールを決めて木村が本盗を記録し4-3と勝越し、一死一三塁から連続で重盗を決めて三走玉腰が還り5-3と突き放す。玉腰は1イニングで二盗、三盗、本盗のサイクルスチールを記録、大和は連続ダブルスチールを記録した。
大和は8回、先頭の富松信彦がライトスタンドにホームランを放って6-3として止めを刺す。
2回途中からロングリリーフの石原繁三は8イニングを投げて4安打4四球2三振無失点の力投、13勝目をあげる。
翌日の読売新聞は「弱体化した巨人軍」、「川畑を先発させたなど甘すぎる投手起用」、「青田の失策」について書いているが、その原因となった広瀬習一の病気離脱、水原茂の応召には触れていない。他の記事を見ても広瀬の虫垂炎や水原の兵役に関する情報は伏せられており、僅かに9月11日付け「日本野球‟秋の陣”あす開幕」の記事に「水原欠場」とだけ書かれている程度である。同記事には「10月以降において各球団とも可成り激しい陣容の変化が起こる」とも書かれており、9月の大量応召を示唆してはいるが。
以前の記事には各選手の応召について詳しく書かれており、寧ろ兵役についての宣伝に利用されていたが、この頃の記事には応召については一切触れられなくなり、「軍事機密」の名目が押し出されてくる。一方で、阪神の帰還兵御園生崇男、藤井勇、山口政信の活躍を兵士の宣伝に利用している。当時の新聞記事が情報操作に利用されていたことは各方面で研究されているので門外漢の当ブログで指摘する必要はないが、野球記事の側面から見ても、容易に推測できる。
*大和は3回の攻撃で1イニング5盗塁を記録。木村孝平と玉腰忠義が連続重盗で本盗を記録、玉腰はサイクルスチールを記録した。
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