9月28日 (日) 甲子園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 39勝23敗1分 0.629 浅野勝三郎 橋本正吾
2 2 0 0 0 0 0 0 X 4 大洋 38勝24敗1分 0.613 野口二郎
勝利投手 野口二郎 20勝7敗
敗戦投手 浅野勝三郎 2勝6敗
二塁打 (急)森田
三塁打 (大)野口
勝利打点 野口二郎 5
野口二郎20勝!
翌日の読売新聞によると森弘太郎が肘を痛めて投げられないということで阪急は浅野勝三郎が先発する。
大洋は初回、先頭の中村信一が四球を選んで出塁、濃人渉がレフト線にヒット、森田実の捕前送りバントをキャチャー日比野武が一塁に悪送球、犠打エラーが記録されて無死満塁、野口二郎が先制の中犠飛を打ち上げて1-0、石井豊の遊ゴロで森田が二封されて二死一三塁、石井がスタートを切って二盗に成功、キャッチャー日比野はこの時三走濃人のリードを見て三塁に送球するがこれが悪送球となる間に濃人が還って2-0とする。浅野には自責点1が記録された。中村の三塁進塁は森田の犠打によるもので日比野の1個目のエラーは自責点には影響していない。
大洋は2回、一死後佐藤武夫が四球で出塁、織辺由三の中前打で無死一二塁、トップに返り中村の右前打で一死満塁、濃人の中犠飛で3-0、森田の右前タイムリーで4-0と突き放す。
大洋先発の野口二郎は序盤のリードを背景に快調なピッチングを続け、3安打2四球3三振で今季9度目の完封、20勝目をあげる。野口は肘を痛めたハーラートップの森弘太郎に1勝差に迫ったが、野口二郎も肩に不安を抱えているだけにまだ最多勝のタイトル争いは予断を許さない。
大洋は2本の犠飛で序盤にリードを奪い野口の好投で逃げ切った。試合巧者らしいゲーム運びであった。
当ブログではスコアカードから「犠牲フライ」であると読み取れるケースは犠飛としてお伝えしていますが、公式式記録では今季から「犠牲フライ」は記録されていませんのでご注意ください。ルール改正があった訳ではなく、当ブログは、軍部の顔色をうかがいながら生き残りを図る聯盟の苦肉の策が真相ではないかと睨んでいます。軍部の見解は、外野フライで走者が進塁するのは当然のことで、打数から除外することは敢闘精神に反するという解釈であったと推測されます。
Wikipediaによると「日本プロ野球では、1942年に軍部命令で犠牲フライが打数にカウントされるように規則が改正され、戦後1953年までこの状態が続いた。」とのことです。昭和16年シーズン終了後、正式にルール改正が行われた可能性がありますが、昭和16年からは既に犠牲フライは記録されていません。犠牲フライは昭和14年シーズン途中から公式記録となりましたが、昭和16年~28年まで公式記録から姿を消すこととなります。当ブログでは、昭和12年以降全ての「犠牲フライ」を犠飛としてお伝えしており、この方針は昭和24年まで継続する予定ですのでご注意ください。
*野口二郎は今季9度目の完封で20勝目をあげる。
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