2014年5月18日日曜日

16年 阪急vs南海 10回戦


10月2日 (木) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 阪急 39勝24敗1分 0.619 笠松実
1 0 0 0 0 0 0 0 X  1 南海 28勝35敗 0.444 神田武夫

勝利投手 神田武夫 18勝11敗
敗戦投手 笠松実       9勝8敗

二塁打 (南)岩本

勝利打点 村上一治 8


神田武夫、価値ある完封

 南海は初回、先頭の国久松一が二遊間に内野安打、安井鍵太郎は四球を選び、岩本義行のバントヒットで無死満塁、村上一治の左犠飛で1点を先制する。これ以降この試合で得点は生まれなかった。

 南海先発の神田武夫はこの“スミ一”を守り抜いた。3回までは一人の走者も出さずパーフェクトピッチング。4回二死後ファースト村上の落球で初の走者を出すが黒田健吾を一ゴロに抑える。5回は二死後この日唯一の四球を森田定雄に与えるがここも伊東甚吉を中飛に抑えて無失点。6回は先頭の笠松実に初安打を中前に運ばれるが西村正夫を遊飛、フランク山田伝を投ゴロ、上田藤夫を三ゴロに退ける。7回は二死後日比野武に中前打を許すが森田を三振に打ち取り無失点。

 阪急は8回、一死後笠松がショートに内野安打、西村に代わる代打新富卯三郎は一邪飛に倒れるが、山田が左前打を放って二死一二塁とこの日初めてチャンスらしいチャンスを迎えるが、二走笠松がキャッチャー木村勉からの送球に三塁で刺されてタッチアウト。これがダブルスチールであれば無謀というもの、キャッチャー木村が弾いたのを見て笠松が三塁を狙ったのであれば致し方のないところでしょうか。スコアカードの記載だけでは笠松が木村からの送球に三塁でタッチアウトとなり、笠松に“盗塁失敗”が記録されている事実が分かるだけです。木村が弾いたのを見て笠松が三塁を狙い刺されたケースでも“盗塁失敗”が記録されることはあり得ますので“重盗失敗”とは断定できない。

 神田武夫は最終回も三者凡退に抑えて、4安打1四球3三振で今季5度目の完封、18勝目をあげる。早くもエースの風格が出てきた。


 阪急は7月26日に朝日の福士勇に完封され、翌27日に阪神の三輪八郎-若林忠志のリレーに零封されて以来シャットアウト負けがなかったが、9月28日の野口二郎に続いて2試合連続完封負け、この日の神田武夫のピッチングの前にはなす術もなかった。神田はこれで9月28日の阪神戦に続いて2試合連続完封、神田が真のエースへと脱皮して行く分水嶺となるこの日のピッチングには価値がある訳で、ストレートとドロップが冴えわたっていたのである。「神田武夫研究」には欠かせない試合となりました。


 なお、翌日の読売新聞は阪急のヒットを3本と伝えており、日比野武が3打数0安打となっていますが、事実は日比野は3打数1安打で阪急は4安打でした。スコアカードは各紙記者が独自に付けますので公式記録の失策が内野安打になったりするケースはありますが、日比野の中前打はスコアカードではセンターへのライナーの当りなので単純に読売新聞のミスではないかと考えられます。








*神田武夫は阪急打線を4安打完封、18勝目をあげる。













*神田武夫に4安打に封じ込められた阪急打線。
















 

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