2014年5月10日土曜日

16年 巨人vs朝日 9回戦


9月28日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 1 2 1 3 7 巨人 46勝16敗2分 0.742 澤村栄治
0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 朝日 21勝41敗 0.339 野村高義 福士勇

勝利投手 澤村栄治 9勝5敗
敗戦投手 福士勇   16勝19敗

二塁打 (巨)楠、澤村 (朝)戸川信、広田

勝利打点 なし

ファインプレー賞 (巨)白石敏男 5


澤村栄治、生涯最後の勝利

 巨人先発の澤村栄治は1回と4回に先頭打者を四球で歩かせるが4回まで無安打無失点。

 朝日は5回、二死後戸川須賀男が右前打で出塁、前田諭治が四球を選んで二死一二塁、野村高義が右前にタイムリーを放って1点を先制する。

 朝日先発の野村も1回と4回に先頭打者を四球で歩かせるが5回まで無安打無失点。

 巨人は6回、一死後澤村が四球を選んで出塁、トップに返り白石敏男の右前打で澤村が三塁を陥れ一死一三塁、水原茂が中犠飛を打ち上げて1-1の同点に追い付く。

 巨人は7回、先頭の中島治康が四球を選んで出塁、朝日ベンチはここで先発の野村に代えて福士勇をマウンドに送り込む。しかし楠安夫が右中間に二塁打を放って無死二三塁、平山菊二の遊ゴロをショート前田がエラーする間に三走中島が還って2-1と勝越し、なお一死一三塁から呉波が右犠飛を打ち上げて3-1とする。

 巨人は8回、先頭の水原が中前打、千葉茂の二ゴロでランナーが入れ替わり、川上哲治の二ゴロの間に千葉は二進、中島の右前タイムリーで4-1とする。

 巨人は9回、先頭の平山の三飛をサード岩田次男が落球、呉が四球を選んで無死一二塁、澤村が左中間に二塁打を流し打って二者生還6-1とする。更に澤村がワイルドピッチで三進、トップに返り白石が中前にタイムリーを放って7-1とする。

 澤村は6回、7回とヒットを許すが無失点で切り抜け8回は三者凡退。9回、先頭の広田に左中間二塁打を許し伊勢川真澄を四球で歩かせて無死一二塁、岩田の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー、最後は室脇正信を左飛に打ち取り試合終了。

 澤村栄治は5安打4四球3三振1失点の完投で9勝目をあげる。


 この勝利が一代の麒麟児・澤村栄治の生涯最後の勝利となった。最後の打者をレフトフライに打ち取った時には澤村はこれが最後の勝利になるなどとは思っていなかった。数日内に二度目の召集令状が届き二度目の兵役に就くこととなる。したがって、シーズンを約1か月半残してこの試合が今季澤村がグラウンドで見せた最後の姿となり、次にグラウンドに戻ってくるのは昭和18年のこととなる。







*澤村栄治の最後の勝利を伝えるスコアカード

















*澤村は今季最後の打席で左中間に2点タイムリー二塁打を放った。














*澤村の最後の勝利の対戦相手となった朝日打線。















 

0 件のコメント:

コメントを投稿