2012年1月2日月曜日

14年 イーグルスvsライオン 7回戦


8月10日 (木) 西宮


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 イーグルス 17勝35敗1分 0.327 望月潤一
0 5 0 1 0 1 0 0 X 7 ライオン     20勝30敗4分 0.400 福士勇


勝利投手 福士勇     9勝8敗
敗戦投手 望月潤一 4勝13敗

ライオン、トリプルスチールを含む6盗塁


 イーグルスは初回、一死後太田健一の遊ゴロをショート山本尚敏がエラー、寺内一隆の中前打で一死一二塁、高須清の左飛で二走太田がタッチアップから三塁を陥れ寺内が二盗を決めて二死二三塁とするが中河美芳は左飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 ライオンは2回、先頭の鬼頭数雄の三ゴロをサード漆原進がエラー、ここから岡本利之、山本が連続四球で無死満塁、伊藤吉男も押出し四球を選んで1点を先制、翌日の読売新聞によると何れもカウントツースリーからの四球であったとのこと。井筒研一は浅い右飛、福士勇三振で二死満塁とするがトップに返り坪内道則が押出し四球を選んで2-0とする。ここで三走山本がホームスチール成功して3-0、翌日の読売新聞によると望月の大きなモーションの隙をついたようだ。この時二走伊藤、一走坪内も次の塁に走りキャッチャー清家忠太郎が三塁に送球するがこれが悪送球となる間に伊藤が生還して4-0、玉腰年男が右前にタイムリーを放って5-0とする。山本のホームスチールの際、伊東と坪内にも盗塁が記録されてトリプルスチールが記録され、玉腰もタイムリーの後二盗を決めてライオンはこの回4盗塁を記録した。

 ライオンは4回、先頭の井筒研一がショートに内野安打、福士が右前打、坪内道則のピッチャー強襲ヒットで無死満塁、玉腰の右犠飛で6-0としてなお一死一三塁、水谷則一は浅い右飛に倒れるが坪内が二盗を決めて二死二三塁、鬼頭は二飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 ライオンは6回、先頭の井筒が四球に歩くと二盗に成功、更にキャッチャー清家の悪送球が重なり無死三塁、福士の三ゴロの間に井筒が還って7-0とする。


 福士勇は2回以降イーグルス打線を無安打に抑え、9回、岩垣二郎に2本目のヒットを許すが後続を抑えて結局、2安打3四球2三振、3月22日の金鯱戦以来今季二度目の完封で9勝目をあげる。翌日の読売新聞は「ラ軍福士はスローカーブとゆるやかに膝下に投げ下すドロップでイ軍打者を手古摺らせ・・・」と伝えている。福士は昭和17年まで投げ続けることになるが戦死している。野球体育博物館に福士勇が使用していたユニフォームが保存されており、ユニフォーム展が開催されると一般公開されている。

 望月潤一は8回を完投して6安打6四球3三振、失点は7であったが自責点は1に過ぎない。但しモーションを盗まれておりトリプルスチールを含む6盗塁を許して失点を重ねた。







            *福士勇は2安打完封で9勝目をあげる。






*山本尚敏、伊藤吉男、坪内道則によるトリプルスチールの場面。「O」が盗塁の記号。「O’」は玉腰年男の打席で行われたことを表す。山本の「O’」は右下なので本盗、伊藤は左下なので三盗、坪内は左上なので二盗を表す。
 続く玉腰は「O”」なので水谷則一の打席での二盗を表す。





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