6月8日 (木) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 名古屋 10勝21敗3分 0.323 繁里栄
0 0 0 2 0 0 0 1 X 3 セネタース 18勝13敗2分 0.581 野口二郎
勝利投手 野口二郎 10勝6敗
敗戦投手 繁里栄 2勝8敗
二塁打 (名)三浦 (セ)尾茂田
野口二郎、三度目の完封
セネタースは2回、先頭の佐藤武夫が左前打で出塁、野口二郎も中前打を放って無死一二塁、ところが二走佐藤がキャッチャー三浦敏一からの牽制に刺されてチャンスを潰す。
セネタースは4回、二死後浅岡三郎が四球で出塁、柳鶴震のピッチャー強襲ヒットで浅岡は三塁に進み二死一三塁、織辺由三が中前にタイムリーを放ちこれをセンター石田政良が後逸する間に一走柳もホームに還って2-0とする。
2対0のまま迎えた8回セネタースの攻撃、一死後尾茂田叶が左越えに二塁打、佐藤が左前にタイムリーを放って3-0とする。2回の牽制死はこれで帳消し。尤も翌日の読売新聞によると鈴木惣太郎の論評には「この失敗を帳消しにすることはできない」とあり、牽制死は余程のボーンヘッドであったのであろう。
野口二郎は3回に2安打、4回は先頭の三浦に二塁打を許し、5回も二死から桝嘉一、大沢清に連打を許すなど打たれながらも要所を抑えるピッチング。6回以降は石田のヒット1本に抑えて結局、6安打1四球9三振、今季三度目の完封で10勝目をあげる。
名古屋としては地元中京商業の俊才・野口二郎をセネタースに奪われたのは痛かった。真相は野口二郎はセネタース以外には入団する訳が無かったようです。大和球士著「真説 日本野球史」にはセネタース代表・詫間治利の話として「あんな大物がすらすらと入団した例は、他にないでしょう。兄の明が“弟の二郎によく話しておきました。おれは軍隊へ現役入隊するから、セネタースのマウンドはお前が兄のおれに代わって死守してくれ”といっておいてくれたそうです。」
*野口二郎は今季三度目の完封で10勝目をあげる。
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