2011年11月7日月曜日

14年 セネタースvsジャイアンツ 5回戦


6月11日 (日) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 3 0 0 0 0 4 セネタース    19勝14敗2分 0.576 野口二郎
0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 ジャイアンツ 25勝11敗       0.694 スタルヒン


勝利投手 野口二郎  11勝6敗
敗戦投手 スタルヒン 16勝6敗


二塁打 (セ)浅岡
三塁打 (セ)苅田、尾茂田 (ジ)リベラ、川上


野口二郎、スタルヒンに投げ勝つ


 セネタース・野口二郎、ジャイアンツ・スタルヒンの両エースが先発。両人が先発でぶつかるのは1回戦以来であるが両人は多くの試合でリリーフでも登板するので過去三回投げ合っている。上位三チームを追うセネタースとしては負けられない一戦となった。

 野口二郎は4回まで一人の走者も出さずパーフェクトピッチング。スタルヒンは初回、先頭の苅田久徳に左前打から盗塁を許すが後続を抑え、2回は一死後浅岡三郎に左中間二塁打を打たれるが無失点で切り抜ける。3回は三者凡退。

 序盤戦を押し気味に進めていたセネタースは4回、先頭の佐藤武夫が左翼線にヒット、続く野口が中前打を放って無死一二塁、しかし佐藤がキャッチャー吉原からの牽制に掛かり「2-6-5」と渡ってタッチアウト、この間に一走野口は二塁に進む。三塁フォースアウトの場面だけに二走佐藤は浅岡の送りバントに備えてリードを大きくしていたようだ。浅岡は三ゴロに倒れて二死二塁、ここで柳鶴震が中前にタイムリーを放って1点を先制する。

 セネタースは5回、一死後苅田が中越えに三塁打、横沢七郎が右前にタイムリーを放って2-0、尾茂田叶が左中間に三塁打を放って3-0、佐藤の遊ゴロの間に尾茂田も還って4-0とする。

 ジャイアンツは5回、二死後アチラノ・リベラ(アデラーノ・リベラ)が中越えに三塁打を放つが平山菊二は遊ゴロに倒れる。6回、7回は三者凡退でここまで野口の前に1安打に抑えられる。

 ジャイアンツは8回、先頭の川上哲治が左中間に三塁打、一死後平山の三ゴロの間に川上が生還して1点を返すが吉原正喜は二飛に倒れる。最終回は二死後水原茂が左前打を放って粘りを見せるが千葉茂の代打楠安夫が遊飛に倒れてゲームセットを告げるサイレンが高々と鳴り響く。


 野口二郎、スタルヒンの一騎打ちの模様を翌日の読売新聞・鈴木惣太郎の論評は「スタルヒン、野口の一騎打ちは互いに三振の奪い合いに鎬を削って展開した。4回までにスタルヒンが5打者を三振に討ち取ると野口も劣らじと4人をストラック・アウトして両軍共に快速球投手を打ちあぐんで苦しみ抜いた。」と伝えている。

 野口二郎は3安打無四球5三振の快投で11勝目をあげる。スタルヒンは10安打3四球6三振であった。両軍無失策の引き締まった試合で失点=自責点であった。3時55分開始、5時5分終了、1時間10分の見応えのある好ゲームであった。両軍とも三塁打が2本ずつ出ているが、両投手の投球から外野陣も浅目の守備体形をとっていたのかもしれない。







               *野口二郎とスタルヒンによる投げ合い。



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