2011年11月23日水曜日

14年 南海vs金鯱 6回戦


6月18日 (日) 甲子園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 6 0 0 0 0 0 0 6 南海 15勝20敗2分 0.429 政野岩夫
2 0 1 0 2 0 0 0 0 5 金鯱 13勝27敗     0.325 大宮清 鈴木鶴雄


勝利投手 政野岩夫 6勝6敗
敗戦投手 大宮清     1勝5敗


二塁打 (南)中村 (金)瀬井

金鯱、遂に敗れる

 金鯱は初回、一死後佐々木常助が四球で出塁、野村高義の二ゴロをセカンド国久松一がエラーして一死一三塁、小林茂太が右前にタイムリーを放って1点を先制してなお一死一三塁、小林利蔵が右犠飛を打ち上げて2点を先制する。ライトからのバックホームの隙をついて一走小林茂太もタッチアップから二塁を狙うが「9-2-6B」と転送されてスリーアウトチェンジ。

 南海は3回、先頭の政野岩夫が左前打で出塁、平井猪三郎の遊ゴロをショート瀬井清がエラー、トップに返り小林悟楼が送って一死二三塁、キャッチャー長島進からの三塁牽制球が三走政野に当って白球が三塁グラウンドを転々とする間に政野に続いて二走平井までもが生還して2-2の同点とする。本日二番に入っている中田道信が中前打で出塁、鶴岡一人もセンター左にヒット、四番に抜擢された国久が期待に応えて右前にタイムリーを放って3-2と逆転に成功、岡村俊昭は中飛に倒れて二死一二塁、ここで中村金次が左中間に二塁打を放って二者を迎え入れて5-2、中継ミスの間に中村も三塁に進み岩出清の一塁内野安打で中村金次が還って6-2とする。

 金鯱は3回、先頭の五味芳夫が三塁線にセーフティバントを決めて出塁、佐々木が送って野村の三ゴロの間に五味は三塁に進み、小林茂太の投ゴロを政野がエラーする間に五味が還って3-6とする。

 金鯱は5回、一死後山本次郎が四球で出塁、五味の二ゴロをセカンド国久がエラー、佐々木の投ゴロはゲッツーかと思われたが政野からの二塁送球をベースカバーに入ったショート小林が落球、野村の遊ゴロは「6-4-3」と転送されるがセカンド国久からの一塁送球が悪送球となって三走山本に続いて二走五味も還って5-6とする。

 南海打線は4回から先発の大宮清に代わってリリーフに登場した鈴木鶴雄に無得点に抑えられる。一方、金鯱も南海・政野岩夫から追加点が奪えず9回を迎える。

 南海は9回、一死後政野が左前打で出塁、平井も左前打で続いて一死一二塁、しかし小林悟楼は二ゴロ、中田は中飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 金鯱は9回裏、一死後瀬井が右中間に二塁打、鈴木鶴雄に代わる代打荒川正嘉は三振、長島に代わる代打磯部健雄が死球を受けて二死一二塁、磯部に代わって代走に兵役から戻ってきた濃人渉が起用される。山本に代わる代打森田実が四球を選んで二死満塁、森田に代わって代走に岡野八郎を起用、トップに返り五味の打席に期待がかかったが中飛に倒れてゲームセットを告げるサイレンが高々と鳴り響く。

 金鯱が4失策、南海が5失策を記録する。特に金鯱のショート瀬井清と南海のセカンド国久松一が3個ずつのエラーを犯した。政野岩夫は6安打4四球1死球2三振5失点の完投で6勝目、自責点はゼロであった。

 金鯱は兵役から戻って二度目の登板となる鈴木鶴雄が6イニングを3安打1四球3三振に抑える。15日の復帰初戦を完投しているので本日は大宮清を先発に起用して鈴木鶴雄をリリーフに回したが、先発していたら金鯱の六連勝が成っていたかもしれない。

 金鯱は小林利蔵、鈴木鶴雄に続いて濃人渉も兵役から戻ってきた。そもそも金鯱が一気に弱体化したのも主力選手を悉く兵役にとられたからであるが、早くとられたことから戻ってくるのも他チームより早かったようで、五連勝でストップしたが勢いはまだまだ続くかもしれない。時代も変わったもので、翌日の読売新聞の見出しは「金鯱遂に敗る」であった。




       *兵役から戻ってきた濃人渉が久々にスコアブックに名を連ねる。





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