2011年11月10日木曜日

14年 南海vsジャイアンツ 5回戦


6月13日 (火) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11  計
2 0 0 0 0 0 0 2 0  0   0   4 南海             14勝18敗2分 0.438 政野岩夫 宮口美吉
1 0 0 0 0 0 3 0 0  0  1X  5 ジャイアンツ 26勝11敗       0.703 川上哲治 中尾輝三 スタルヒン


勝利投手 スタルヒン 17勝6敗
敗戦投手 宮口美吉     4勝6敗


二塁打 (南)国久 (ジ)水原、中尾、白石
三塁打 (ジ)川上、平山

中尾輝三好投、サヨナラを呼び込む


 ジャイアンツは五番ピッチャー川上哲治が先発。

 南海はその川上の立ち上がりを攻めて先頭の国久松一が右翼線に二塁打、平井猪三郎が左前にタイムリーを放って1点を先制、更に鶴岡一人の左前打と中村金次の右前打で無死満塁、岡村俊昭の一ゴロをファースト永澤富士雄が二塁に悪送球する間に三走平井が還って2-0とする。永澤の悪送球を見た二走鶴岡も三塁からホームを狙ったが三本間に挟まれてタッチアウト、なお一死二三塁で伊藤経盛は捕邪飛、これはスクイズ失敗の可能性が高いのではないか。中田道信も二直に倒れて2点止まり、一気に崩すチャンスだっただけにもう少し追加得点が欲しかったところである。

 ジャイアンツは1回裏、先頭の白石敏男が四球で出塁、水原茂の左中間二塁打で白石が還り1-2とする。

 ジャイアンツは2回から早くも川上をファーストに回して中尾輝三をマウンドに送る。中尾は2回~7回まで岡村に打たれた2安打のみ、3四球1死球で無失点に切り抜ける。

 南海先発の政野岩夫も2回~6回は1安打無失点の好投を見せるが7回に捕まった。

 ジャイアンツは7回、先頭の川上が右中間に三塁打、アチラノ・リベラ(アデラーノ・リベラ)は二ゴロに倒れるが平山菊二が右中間に三塁打を放って2-2の同点、吉原正喜がスクイズを決めて3-2と逆転に成功する。更に中尾が左中間に二塁打を放って政野をKO、代わった宮口美吉から白石が右翼線に二塁打を放って4-2とする。

 南海は8回、平井、鶴岡が連続四球、中村の送りバントが内野安打となって無死満塁、ジャイアンツベンチはここで中尾をあきらめスタルヒンを投入する。岡村の一ゴロをファースト川上が二塁に送球する間に三走平井が還って3-4としてなお一死一三塁、打球を見ていないので断言はできないがここはバックホームでしょう。伊藤に代わる代打岩出清が左犠飛を打ち上げて4-4の同点に追い付く。

 スタルヒンは9回に小林悟楼に中前打を許したのみで10回、11回と三者凡退に抑える。一方宮口も8回~10回を無安打2四球無失点に抑えて試合は11回裏へ進む。

 ジャイアンツは11回裏、川上が中前打で出塁、リベラは二直に倒れるが平山が右前打を放って一死一二塁、吉原の遊ゴロをショート小林が失して一死満塁、スタルヒンが右前にタイムリーを放ってジャイアンツが5A対4でサヨナラ勝ちをおさめる。


 読売新聞の鈴木惣太郎の論評によると「藤本監督は『今日は楠に先発をさせようと思っていたのだが久しく出場していないから心配して急に川上に代えた』と投手起用に迷った顛末を述べた」とのこと。川上の談話は「どんな球もみんな打たれた、一昨日投げたばかりだから疲れているのです」とのこと。矢張り川上は打者に専念したいようで、8回の守備を見ても守りも得意ではなさそうである。

 本日のお立ち台は好救援にサヨナラヒットのスタルヒンとなるが、見逃してならないのは2回から好リリーフを見せた中尾輝三のピッチングである。徐々に力を付けてきており、スタルヒン一人の状況から脱却できるかがジャイアンツの覇権の鍵を握っている。






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