6月17日 (土) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 2 1 0 0 0 0 0 4 ジャイアンツ 27勝12敗 0.692 中尾輝三 川上哲治
0 0 4 1 0 3 0 0 X 8 名古屋 12勝24敗3分 0.333 大沢清
勝利投手 大沢清 2勝2敗
敗戦投手 中尾輝三 4勝3敗
二塁打 (名)加藤
三塁打 (名)三浦
本塁打 (ジ)千葉 2号
大沢清、ジャイアンツ打線を翻弄
ジャイアンツは初回、一死後水原茂が中前打で出塁するが千葉茂の二ゴロは「4-6-3」と渡ってダブルプレー。
ジャイアンツは2回、先頭の中島治康が左前打で出塁、川上哲治は右飛に倒れるがアチラノ・リベラ(アデラーノ・リベラ)が中前打、平山菊二も中前打で続いて一死満塁、吉原正喜の遊ゴロの間に中島が還って1点を先制する。
ジャイアンツは3回、先頭の白石敏男が三塁に内野安打、一死後千葉がライトポール際にツーランホームランを叩き込んで3-0とする。
名古屋は3回裏、先頭の中村三郎が四球で出塁、トップに返り村瀬一三も四球を選んで無死一二塁、石田政良が三遊間を破るタイムリーを放ち1-3としてなお無死一二塁、桝嘉一は三邪飛、大沢清が三振に倒れると村瀬、石田がダブルスチールを決めて二死二三塁、加藤正二が右前に2点タイムリーを放って3-3の同点、三浦敏一が左中間に三塁打を放って4-3と逆転に成功する。
ジャイアンツは4回、先頭のリベラがピッチャー強襲ヒット、平山の二ゴロをセカンド中村が二塁に悪送球、吉原正喜の当りは左前ポテンとなりレフト桝からサード芳賀直一への送球が乱れる隙を突いて三走リベラが生還して4-4の同点とする。ここで平山が三盗に失敗、直後に中尾輝三が右前打を放つが白石、水原が連続右飛に倒れて追加点はならず。結果的に見るとこの拙攻がジャイアンツの敗因となった。
名古屋は4回裏、先頭の芳賀が中前打で出塁、中村四球、芳賀が三盗を決めて村瀬も四球を選んで無死満塁、石田の右前タイムリーで5-4と勝ち越してなお無死満塁が続く。桝の当りはライトへの飛球となったがライト中島が好捕して一塁に送球して一走石田が戻れずツーアウト、ファースト川上は二塁ベースカバーのショート白石に転送して二走村瀬も戻れずプロ野球史上三度目のトリプルプレーが完成する。
ジャイアンツは5回から中尾に代えて川上がファーストからマウンドに上がる。中尾は4イニングを投げて6安打4四球4三振5点、自責点5という投球内容であった。
名古屋は6回、先頭の芳賀が四球で出塁、中村の捕飛はバント失敗の可能性がある。村瀬の三ゴロを名手水原がエラーして一死一二塁、石田のセーフティバントが内野安打となって一死満塁、桝が押出し四球を選んで6-4、大沢が右前の2点タイムリーを放って8-4と突き放す。
大沢清はスピードはないが緩急を巧く使ってジャイアンツ打線を翻弄し、12安打を浴びながら3四球1三振の完投で2勝目をあげる。第一期黄金時代の初期にジャイアンツが政野岩夫や大沢清にやられていた事実は歴史に埋没している。
名古屋は二番石田政良が5打数3安打2得点2打点、三番桝嘉一が4打数1安打1打点、四番大沢清が4打数1安打2打点、五番加藤正二が5打数3安打1得点2打点、六番三浦敏一が4打数2安打と中軸が全11安打中10安打を放ち全打点をあげて得点を重ねた。更に三浦が2個、村瀬一三、石田政良、芳賀直一が1個ずつの合計5盗塁を決めてジャイアンツバッテリーを揺さぶった。特に3回の村瀬、石田のダブルスチールが効いた。
中尾輝三はモーションが大きく左投手ながら簡単に盗まれているようで、コントロールと共にこの点も課題である。中尾がこの調子なのでジャイアンツとしては川上哲治をリリーフに用意せざるを得ず、これが川上のバッティングにも影響を与えている。本日はジャイアンツ打線は12安打を放ったが先発メンバーでは川上だけが4打数無安打であった。それでも夏季シーズン26打数11安打、4割2分3厘で首位をキープしているところは流石神様だけのことはあるが。
*昭和13年10月23日のライオンvs名古屋3回戦、14年4月2日の南海vsイーグルス1回戦以来、プロ野球史上三度目のトリプルプレー。1回目も桝嘉一のセカンドライナーによるものであった。今回は桝の右飛をライト中島治康が好捕して「9-3-6」と渡る珍しいケースであった。
*雑記欄の記載。
*雑記欄にはトリプルプレーと共に「ジャイアンツ内野の補殺1(ゴロによる補殺はゼロ)と記載されている。下の写真のとおり白石、水原、千葉の内野陣の補殺はゼロであった。内野の補殺1はトリプルプレーに絡んだ川上の二塁送球に記録されたものである。
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