2011年8月4日木曜日

14年 南海vsタイガース 2回戦

3月31日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 2 0 2 0 0 2 0  6  南海          2勝5敗 0.286 政野岩夫 平野正太郎
4 0 1 2 0 0 4 0 X 11 タイガース 6勝3敗 0.667 西村幸生 御園生崇男 青木正一

勝利投手 御園生崇男 4勝1敗
敗戦投手 政野岩夫     1勝3敗

二塁打 (南)岡村 (タ)景浦、門前
三塁打 (タ)富松
本塁打 (南)国久 1号

海内無双に逆戻り


 タイガースは3月30日の理事会で登録が承認されたばかりの甲陽中学-立命館大学出身・富松信彦が五番レフトで先発。

 タイガースは初回、先頭の松木謙治郎が一二塁間へ内野安打、本堂保次が右前にエンドランを決めて無死一三塁、ジミー堀尾文人の遊ゴロの間に松木が還って1点を先制、景浦将四球で一死一二塁、ここで昨日登録されたばかりの五番・富松信彦が左中間に三塁打を放って2点を追加、伊賀上良平の三塁内野安打で富松も還って4-0とする。

 南海は3回、先頭の国久松一が中前打で出塁、岡村俊昭が左翼線に二塁打を放って無死二三塁、鶴岡一人の左犠飛で1-4、中村金次が左翼線にタイムリーを放って2-4と追い上げる。翌日の読売新聞によると二死後中田道信のピッチャー返しが西村幸生を直撃する内野安打となり、タイガースは4回から御園生崇男が二番手としてマウンドに上がることとなる。

 タイガースは3回裏、先頭の堀尾が三前バント安打、景浦の右翼線二塁打で無死二三塁、富松が左犠飛を打ち上げて5-2とする。更に4回、本日は珍しく八番に入った岡田宗芳が四球で出塁、御園生の二ゴロでランナーが入れ替わり、松木の右前打で一死一二塁、本堂の三ゴロを併殺を焦ったサード鶴岡が二塁に悪送球、白球が外野グラウンドを転々とする間に二走御園生が還って6-2、鶴岡のプロ入り初エラーはタイムリーエラーとなった。一走松木も三塁に進み一死一三塁、堀尾の三ゴロを鶴岡は又も併殺狙いでセカンド国久に送球、二塁はフォースアウトとなるが一塁セーフの併殺崩れの間に松木が還って7-2と突き放す。南海はセカンドにバカ肩国久を配しているので併殺を狙っていくのは当然の策でしょう。鶴岡も入ったばかりでまだ呼吸が合っていないようです。鶴岡と言えば戦前随一の守備の名手として苅田久徳とともに並び称されていますが、当然エラーもある訳で、鶴岡を数行で紹介すればエラーの話など出てくることはない訳ですが、スコアブックからワンプレー毎に追っていく当ブログの追及をかわすことはできません。

 南海は5回、一死後中村が三遊間に内野安打、小林悟楼四球、中田道信の遊ゴロをショート岡田が二塁に送球するが間に合わずフィルダースチョイス、二塁に送球しても間に合わない打球であれば当然一塁に送球しても間に合わない訳で、ここは内野安打でもおかしくはないのではないか。擬投して三塁に進んだ中村を誘き出そうとしていれば内野安打になっていたでしょう。と言うことで一死満塁、政野岩夫が中前に2点タイムリーを放って4-7とするが、続く山尾年加寿の二ゴロは4-6-3と渡ってダブルプレー。

 タイガースは7回、二死後景浦の四球から遊失と伊賀上の左前打で二死満塁、門前真佐人が右中間に走者一掃の二塁打を放ち、皆川定之も右前タイムリーで続いて4点を追加する。

 南海は8回、三番手としてマウンドに上がった青木正一から先頭の山尾が中前打、一死後国久がセンター右奥にツーランホームランを放って2点を返すがここまで。

 タイガースは上位下位が万遍なく打ち捲って海内無双時代に見せたような試合ぶり。


 南海では国久松一が5打数4安打1本塁打と気を吐いた。国久は景浦よりも強かったとも言われる強肩の持主。本日のホームランはセンター右奥に叩き込んでいます。いくら狭い後楽園とは言え右バッターがここに打ち込むには相当のパンチ力が不可欠です。国久は4年間の現役で通算4本塁打で強打者とは言われていませんが、基本的に肩が強ければパンチ力があるはず、南海の遥か後輩となる定岡智秋や巨人の河埜和正も肩は強いがバッティングはちょっとというタイプでしたが二人ともパンチ力がありました。竹中半平著「背番号への愛着」では巨人戦でスタルヒンから4安打した試合が紹介されており「これが国久としては或は一番花々しかった日だったかも知れない」と書かれています。その日は4安打目が決勝打だったそうで、負け試合となった本日より花々しかったと考えられますが、本日の4安打もお忘れなく。





          *国久松一は1本塁打を含む4安打の活躍。




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