１４年 金鯱vsイーグルス ２回戦

4月12日 （水） 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 3 0 0 0 1 0 0 4 金鯱　　　    ６勝７敗      0.462 古谷倉之助 中山正嘉
1 0 0 6 0 0 0 0 X 7 イーグルス ４勝８敗１分 0.333 中河美芳

勝利投手 中河美芳 １勝１敗

敗戦投手 中山正嘉 ５勝３敗


二塁打　（金）岡野、小林茂、長島　（イ）寺内２、伏見

亀田忠、代打同点タイムリー

　イーグルスは初回、先頭の寺内一隆が左翼線に二塁打、山田潔は三振、太田健一の遊ゴロの間に寺内は三進、中河美芳が中前にタイムリーを放って1点を先制する。

　金鯱は3回、一死後佐々木常助が三前にバント安打、佐々木が二盗を決め、岡野八郎の三ゴロをサード木下政文が一塁に悪送球して一死一三塁、瀬井清の遊ゴロで岡野は二封されて二死一三塁、小林茂太が左翼線に同点二塁打を放って1-1としてなお二死二三塁、古谷倉之助の三塁内野安打で瀬井が生還、更にサード木下のこの回二つ目の悪送球で二走小林茂もホームに還って3-1と逆転する。

　イーグルスは4回、先頭の菅利雄が右前打で出塁、前日4打数4安打の伏見五郎が左中間に二塁打で続いて金鯱先発の古谷をKO、中山正嘉を引きずり出す。木下が四球を選んで無死満塁、ここでイーグルス森茂雄監督は漆原進に代えて亀田忠を代打に起用、亀田は期待に応えて中前に2点タイムリーを放ち3-3の同点に追い付く。更に寺内が右中間に二塁打を放って4-3と逆転、山田は投ゴロに倒れるが太田が四球を選んで一死満塁、中河のレフトへのライナーで三走亀田がタッチアップからホームに還り犠飛となって5-3、レフト武笠茂男からの返球が逸れる間に二走寺内が三塁に走りなお二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて6-3、杉田屋守が右前にタイムリーを放ってこの回一挙6点、7-3とする。

　金鯱は7回、佐々木、岡野の連打と小林茂のこの日2本目のタイムリーで1点返すがここまで。

　中河美芳は9安打5四球4三振の完投で今季初勝利をあげる。

　森茂雄監督が4回、無死満塁のチャンスに亀田忠を代打で起用、亀田が期待に応えて同点タイムリーを放って打線に勢いがついた。亀田はその後サードに入っている。晩年の中西太のような「移動性四番」という使い方もあるが、貧打に喘ぐイーグルスとしては亀田が投げない時は四番サードで使うべきではないでしょうか。

＊昭和4年、早稲田大学選手時代の森茂雄のサイン。昭和初期の六大学全盛時代は、名選手達の多くが英字サインを残しています。日本には当然サイン文化はありませんが、当時アメリカの大学と日米を行ったり来たりの交流が盛んでしたので、英字サインが流行だったようです。最後の跳ねているところはタイ・カッブのサインを真似ているようですね。