36年ぶり三度目の全国制覇に向けて、最大の難関金沢高校・釜田投手を攻略して準々決勝に進出しました。次は日大三高と智弁和歌山の勝者ですからまだまだ難関は控えていますが。
試合前の予想は、後半釜田を捕まえるには5回までを1点ビハインド以内に抑えることが絶対条件と考えていました。巧く1点先行して、7回表に追い付かれたのは想定の範囲内。勝負を左右した1球は、7回裏習志野の攻撃、二死一塁で宮内のカウントツーツーから釜田が投げ込んだ渾身のストレートが外角低めに決まったかに見え、主審の右手がピクリとしましたが、残念ながらキャッチャーミットが外側に流れたため主審の右手は上がりませんでした。バシッと捕球していたらストライクがコールされていたと思います。7球目もハーフスウィングを取られてもおかしくはないものでしたが高校野球のハーフスウィングはプロほど厳しくはないのでボールの判定は妥当でしょう。
釜田のカットボールとスライダーはコーナーに決まれば高校生では打てません。まだ抜けるボールもあるので何とか2点取ることができました。但し、3回に一死一塁で宮内に投げたフォークを左前に運ばれたのは悔いが残る1球だったでしょう。この後先制点を取られました。近年の高校野球では投げる球種も増えて器用にこなせるピッチャーも多くなっていますが、練習試合では通用しても、本番の一番肝心なところで失投となった場合、間違いなく悔いが残るということも考えるべきでしょう。あれ以降フォークは投げなかったので釜田にも分かっているはずですが。
一回戦の習志野の応援が一部で批判されているようです。習志野高校吹奏楽部は200人の大所帯、相手チームがタイムを掛けるケースは味方のチャンスであることが多い訳で、応援にも力が入るのは当たり前のことです。指示が聞こえないように大音量を出しているなどという筋違いの批判など気にすることはありませんが、2回戦以降、相手チームがタイムを掛けた瞬間、ぴたりと演奏を辞めています。本日のNHKの中継でもこの点に触れていました。習志野高校吹奏楽部と言えば、野球部など足許にも及ばない程の全国クラスの実力です。
習志野が優勝した過去二回共に優勝候補では無かったわけで、36年前と雰囲気は似ています。伝統の引き付けて叩くバッティングは今年も受け継がれています。36年前、決勝でサヨナラヒットを打った下山田の打球も外角球を引き付けてセカンドオーバーのライナーでした。
習志野が大会No1ピッチャーを攻略したこの試合は、今大会最高の試合だったのではないでしょうか。
なお、当ブログでは現役の高校生とは言え、野球選手である以上、君付けはいたしませんのでご了承ください。
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