2011年8月7日日曜日

14年 南海vsイーグルス 1回戦

4月2日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
1 0 0 0 1 0 0 0 1 3 南海      3勝5敗1分 0.375 天川清三郎
0 0 0 0 0 0 0 0 X 0 イーグルス 1勝7敗1分 0.125 中河美芳


勝利投手 天川清三郎 1勝1敗
敗戦投手 中河美芳     0勝1敗


二塁打 (南)国久

一番国久松一が2得点


 南海は一番国久松一、二番平井猪三郎と一、二番を入れ替えてきた。私の大学時代(東京六大学準硬式です、念のため)は同期のキャプテンと一、二番を組まされることが多かったのですが、私の性分的には二番を打ちたかったので一番に起用される時は困りました。卒業後20年続けた草野球では大抵二番を打っていました。

 南海は初回、先頭の国久の三ゴロをファースト菅利雄が落球、本日は中河美芳は先発ピッチャーです。国久は二盗に成功、平井は四球で無死一二塁、岡村俊昭の一塁内野安打で無死満塁、鶴岡一人が押出し四球を選んで1点を先制する。中村金次の三ゴロは5-2-3と渡ってダブルプレー、中田道信が四球を選んで二死満塁とするが小林悟楼は遊ゴロに倒れる。

 南海は5回、この回先頭の国久が中越えに二塁打、平井は右飛に倒れて岡村四球で一死一二塁、鶴岡の遊ゴロは「6-4-3」と転送されるがセカンド辻信夫からの一塁送球が悪送球となる間に二走国久がホームに還り2-0とする。

 南海は7回、二死後平井が二失で出ると二盗、三盗を決めてキャッチャーの送球ミスを衝いてホームを狙うがこれはレフト清家忠太郎からの返球にタッチアウト。

 南海は8回、先頭の岡村が三前にバントヒットを決めて出塁、鶴岡が中前に快打を放ち無死一二塁、前の打席で中村の代打に出てセンターに入っている伊藤経盛の当りは遊ゴロとなって6-4-3と転送されてツーアウト、その時二走岡村は三塁ベースを蹴って本塁に突入、しかしファースト菅からキャッチャー伏見五郎に送球されてタッチアウト、ここにトリプルプレーが成立する。昭和13年秋季、10月23日のライオンvs名古屋3回戦以来の記録となる。ショートの山田潔も一塁送球で三重殺の構成要員となったが、山田は昭和27年、大映に所属して毎日戦で一試合二度の三重殺(プロ野球史上唯一)の時も重要な構成要員となる。

 南海は9回、先頭の中田が左翼線にヒット、レフト清家からのセカンド返球が逸れる間に二塁に進む。小林が送って一死三塁、天川が左犠飛を打ち上げて3-0とする。

 イーグルスは初回、一死後太田健一四球、二死後中河遊失、杉田屋守四球で二死満塁とするが木下政文は遊ゴロに倒れる。3回も太田が右前打、菅は死球、中河四球で一死満塁とするが杉田屋の三ゴロが「5-2-3」と渡ってゲッツー。4回は先頭の木下が四球で出塁するが伏見の遊ゴロは「6-4-3」のゲッツー。5回は一死後寺内が中前打で出塁するや二盗を試みるがキャッチャー中田に刺されて盗塁失敗。6回は中河の右前打と杉田屋に代わる代打亀田忠の左前打で無死一二塁のチャンスをつかむが木下の三ゴロをサード鶴岡が三塁ベースを踏んでから一塁に送球、「5C-3」のダブルプレーでチャンスを潰す。8回も先頭の太田がセンターエラーで出るが菅の一直に帰れずファースト吉川義次が「無補殺併殺」を記録する。


 南海内野陣は鶴岡一人が加入してようやく本領を発揮してきた。セカンド国久松一は景浦以上とも言われる強肩、ショート小林悟楼は昨シーズン遊撃手としてはイーグルス・山田潔に次いで守備率第二位、戦後の黄金期に作り上げた「100万ドルの内野陣」の基礎はここにある訳です。

 イーグルスでは代打に起用されてサードに入った亀田忠が2打数2安打。ようやく当ブログの声が森茂雄監督にも届いたようです。翌日の読売新聞には「亀田を代打に起用したときスタンドからの声援頻(しき)りに起り・・・」「ファンの声援は9回亀田が遊撃強襲安打に出たとき又してもイ軍のために起った・・・」と書かれています。観客の方がよく分かっているようです。

 天川清三郎は味方の堅守とイーグルス打線の貧打に助けられて5安打4四球1死球2三振で完封勝利を飾る。天川は平安高校出身で昭和13年夏の甲子園の優勝投手。決勝戦では9回表に岐阜商業が1点を先制したが、平安は9回裏に2点を取って逆転サヨナラで甲子園初優勝を決めた。天川はサヨナラのホームを踏んでいます。チームメイトの三番ショート木村進一(後に西村進一)は名古屋に入団するが戦争で右手の先を失う。しかし不屈の闘志で母校平安高校の監督となり、義手を使う猛ノックでナインを鍛え、監督としても甲子園を制することとなります。

 南海は打線変更が効を奏し、一番・国久松一が2得点を記録。国久が1盗塁、二番平井猪三郎が2盗塁と伝統となる機動力も発揮してきた。7回には平井が本塁突入に失敗したり、8回の岡村の走塁も三重殺となるなどまだまだ荒い面も残るが、まずは高須一雄監督としては快心の采配であろう。相手がイーグルスではありますが。




     *昨年の甲子園優勝投手・天川清三郎が5安打完封勝利。





               *三重殺の場面






              *雑記欄





         *併殺数



0 件のコメント:

コメントを投稿