１４年 ライオンvsジャイアンツ １回戦

4月2日 （日） 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ライオン　　  ４勝３敗３分 0.571 福士勇

2 0 0 0 0 0 1 0 X 3 ジャイアンツ ６勝２敗       0.750 スタルヒン

勝利投手 スタルヒン ３勝１敗

敗戦投手 福士勇      ２勝１敗

二塁打　（ラ）水谷

吉原復帰、スタルヒン完封

　「吉原が居ないとまた捕手が怪我しはせぬかと心配で思い切り投げられないがもう今日からは大丈夫です。」吉原正喜の復帰について鈴木惣太郎がスタルヒンにインタビューした記事が翌日の読売新聞に掲載されている。「果然スタルヒンは好捕手を得てこの日の試合に稀に見る会心の好投を示した。」 

　ジャイアンツは初回、一死後水原茂が左前打で出塁、千葉茂の右前打で一死一三塁、中島治康は二飛に倒れるが千葉がパスボールで二進して二死二三塁、川上哲治がセンター右に快打を放って二者生還し2-0と先制する。

　翌日の読売新聞によるとこの日のライオン先発福士勇は初回はストレートを集め過ぎて打たれたが、2回以降カーブを混ぜて好投したとのこと。福士は2回～6回を無安打無失点に抑える。

　ジャイアンツは7回、先頭の三田政夫が中前打で出塁、井上康弘の二ゴロをセカンド西端利郎がエラー、吉原は三振に倒れて一死一二塁、スタルヒンの遊ゴロをショート山本尚敏がエラーする間に二塁から三田が生還して3-0とする。

　相棒の復帰に気を良くしたスタルヒンは6安打3四球11三振の完封で3勝目をあげる。藤本定義監督も味な采配を見せた。9回、代打室井豊が中前打、一死後鬼頭数雄に四球を与えたところでレフトを三田から平山菊二に交代、玉腰年男にも四球を与えて一死満塁とするとここでファーストを川上から永澤富士雄に交代させて間合いを取り、スタルヒンはこれで落ち着いたか続く代打菊矢吉男を二飛、最後は岡本利之を三振に打ち取り今季二度目の完封を達成する。カッカし易いスタルヒンの気性を熟知した藤本監督の名采配をここに見る。勿論守備固めの意味もあるが、単なる守備固めであれば回の初めから代えているでしょう。

　全治5週間とも報じられていた吉原正喜は3月21日の怪我から約2週間で復帰。投ゴロ、中飛、三振で3打数無安打、捕逸も一つ記録しており、キャッチャー陣総崩れの中、相当無理して出てきたのであろう。

　　　　　＊吉原正喜は約2週間ぶりに戦列に復帰する。

　　　　　＊スタルヒンは今季二度目の完封勝利。