2011年8月15日月曜日

14年 金鯱vsライオン 2回戦

4月11日 (火) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 0 2 3 2 0 8 金鯱    6勝6敗       0.500 古谷倉之助 常川助三郎 中山正嘉
1 0 0 1 0 1 1 0 0 4 ライオン 5勝4敗3分 0.556 菊矢吉男 岡本利之


勝利投手 中山正嘉 5勝2敗
敗戦投手 菊矢吉男 3勝3敗


二塁打 (金)佐々木、岡野、小林茂、五味 (ラ)室井
三塁打 (ラ)室井


金鯱、総力戦で勝率5割


 ライオンは初回、坪内道則、西端利郎が連続四球、水谷則一の遊ゴロで西端は二封されて水谷が二盗に成功、鬼頭数雄の投ゴロの間に坪内が還ってノーヒットで1点を先制する。

 3回までノーヒットの金鯱は4回、二死後小林茂太が四球で出塁、この日五番に上がった野村高義が右前打、古谷倉之助四球で二死満塁、荒川正嘉が押出し四球を選んで1-1の同点とする。

 ライオンは4回裏、先頭の室井豊が左翼線に二塁打、玉腰年男の投ゴロで三進、中野隆雄のピッチャー強襲ヒットで2-1と勝ち越す。更に山本尚敏が左前打で続くと金鯱は先発古谷をファーストに回して常川助三郎をリリーフに送り、常川は菊矢吉男を右飛、坪内を一邪飛に打ち取る。

 金鯱は6回、一死後野村が死球を受けて出塁、代走に浜崎博を起用、古谷の一ゴロをファースト玉腰が二塁に悪送球して一死一二塁、ライオンはここでショートを山本尚敏から松岡甲二に交代する。荒川が四球を選んで一死満塁、山本次郎に代わる代打武笠茂男の遊ゴロを代わったばかりの松岡が二塁に悪送球する間に三走浜崎に続いて二走古谷も生還してこの回ノーヒットで3-2と逆転する。

 ライオンは6回裏、先頭の室井が左中間に三塁打、金鯱は常川から三番手中山正嘉にスイッチ、玉腰は一ゴロ、中野は左直で二死三塁、ここから松岡に代わる代打近藤久が四球、近藤の代走柳澤騰市が二盗に成功、菊谷も四球で二死満塁、トップに返り坪内が押出し四球と三連続四球で3-3の同点とする。

 金鯱は7回、先頭の佐々木常助が右翼線に二塁打、岡野八郎が右中間にタイムリー二塁打を放って4-3、瀬井清が送って小林茂が左中間にタイムリー二塁打、5-3とする。長嶋の中飛で小林茂は三進、古谷の右前タイムリーで6-3とリードする。

 ライオンは7回裏、水谷の四球と室井の右前打で二死一二塁、中野の二飛をセカンド岡野が落球する間に水谷が還って4-6と追い上げる。

 金鯱は8回、先頭の五味芳夫の三ゴロをサード柳澤が一塁に悪送球、高久保豊三が四球を選んで無死一二塁、佐々木の三ゴロを柳澤が今度は二塁に悪送球して無死満塁、岡野が二打席連続となるタイムリーを右前に放って7-4、ライオンは菊谷を下げて岡本利之をリリーフに送る。しかし岡本は瀬井に押出し四球を与えて8-4、金鯱はこの回ノーヒットでダメ押しの2点を加える。

 ライオンは最終回、一死後ここまでシングル、二塁打、三塁打を放っている室井豊を打席に迎える。当時サイクルヒットの概念があったかどうかは不明ですが、室井は遊飛に倒れて快挙はならず、五味が右翼線に二塁打を放つが三塁を欲張り9-5と渡ってタッチアウト、ゲームセットを告げるサイレンが高々と鳴り響く。
 リリーフの中山正嘉は4イニングを2安打4四球1三振で締めてハーラートップの御園生崇男に並ぶ5勝目を上げる。本日は正真正銘の勝利投手です。


 金鯱は本日も総勢16人を注ぎ込む総力戦で三連勝、借金生活から抜け出して勝率を5割とした。4日のジャイアンツ戦で0対16の大敗を喫して8日の南海戦は9人で勝ったが、前日のタイガース戦は17人、本日は16人で勝利をもぎ取った。岡田源三郎監督は弱小チームを率いさせれば天下一品。まだ弱かった頃の明大監督時代、策士と恐れられて早慶を苦しめ、37年・8年の明大四連覇の基礎を作り上げた。金鯱監督としても自らマスクを被り、全員盗塁を指示し、今回は総力戦で挑んできた。










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