月間MVP
投手部門
高橋敏 2
高橋敏は今月5試合に登板して2勝1敗1セーブ、2完封勝利。39回を投げて防御率0.46、WHIP0.82、奪三振率1.38であった。
スタルヒンは今月11試合に登板して8勝2敗、1完封勝利。72回3分の1を投げて防御率1.13、WHIP0.93、奪三振率4.69であった。
野口二郎は今月12試合に登板して6勝2敗1セーブ、1完封勝利。68回を投げて防御率1.99、WHIP1.09、奪三振率2.96であった。
スタルヒンと野口二郎の比較ではスタルヒンに軍配が上がるのであるが、ここに高橋敏が加わると比較が難しい。
ジャイアンツは頼れる投手がスタルヒン一人と言う状況で、中尾輝三は投げてみないとストライクが入るか分からないので川上哲治をリリーフに用意しておかなければならないため川上は未だ打者に専念することができない状況にある。
野口二郎の場合はもっとすごく、投げない時はファーストに入って四番、五番を打っている。
この点、阪急投手陣の層の厚さは九球団ダントツであり、高橋敏はローテーションに余裕を持って登板することができる。実際、エースは重松通雄であり準エースは石田光彦である。浅野勝三郎と荒木政公も完投能力がある。
当ブログの選定は高橋敏とさせていただきますが、読者の方々にもそれぞれお考えがあることでしょう。スタルヒンと野口二郎にはこの先いくらでもチャンスがあると思いますが、今季限りで兵役に就くこととなる高橋敏には残された時間が少ないことも考慮に入れさせていただいております。高橋は今季を終了すると昭和18年と19年に登板することになりますが、現在のような輝きを見せることはありませんでした。
打撃部門
千葉茂 1
千葉茂は今月15試合に出場して55打数18安打5得点6打点11四球1本塁打。打率3割2分7厘、出塁率4割3分9厘、長打率4割、OPS0.839であった。
千葉茂の真価は目に見えないところにあるので記録には現れにくく、実際、生涯無冠で終わることとなる。恐らくこの月間MVPが初タイトルでしょう。数字を分析すれば11四球が光る。千葉の自伝「猛牛一代の譜」によるとくさいところはカットして四球を選ぶことに喜びを感じていたとのことである。
井上康弘がセカンドに入れば外野に回り、序盤戦はセンターに入っていたがアチラノ・リベラ(アデラーノ・リベラ)加入後はレフトに回り、平山菊二をレフトに使うときは千葉がセカンドに入る。藤本定義監督の用兵も「千葉茂の使い勝手の良さ」に依拠していると見ることもできる。三番打者がユーティリティ性を兼ね備えているのだから監督としても心強いでしょう。
因みに川上哲治は今季通算では3割7分7厘で第二位の千葉茂3割3分1厘を大きく引き離していますが、先月末の4割4分1厘からは大きく打率を落としてきており、今月の成績は47打数14安打、打率2割9分8厘です。四球が少ない川上の打数が千葉茂よりも少ないのは、上述の経緯のとおり中尾輝三が登板する時はリリーフとして待機することが多いからです。その場合、ファーストには永澤富士雄が入っています。
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