今節は、南海が3勝0敗1分、阪急が5勝1敗、セネタースが3勝1敗2分、ジャイアンツが3勝1敗、名古屋が1勝2敗1分、タイガースが1勝2敗1分、イーグルスが1勝2敗、ライオンが1勝5敗1分、金鯱が0勝4敗であった。
週間MVP
投手部門
阪急 重松通雄 1
今節は胴上げ投手となった最終戦を含めて2完投勝利。昭和14年6月2日付け読売新聞誌上に鈴木惣太郎の「春の大リーグ戦」総評が掲載されており「阪急重松は豪速球の正鵠を得て球威著しく向上し」と記載されている。下手投げの元祖とも言われる重松であるが、球威が増してきた点を球団首脳部も評価してエースとしての働きを求めているようである。
打撃部門
阪急 西村正夫 1
阪急 フランク山田伝 1
阪急攻撃陣最大の武器は西村、山田の一二番コンビにある。西村は現在阪急では唯一人打撃ベストテンの九位に付けているがそれでも2割7分3厘である。阪急優勝の要因が九球団随一の豊富な投手力にあることは明らかであるが、西村、山田が脚を含めてかき回し得点を重ねている。西村は今節15打数6安打、山田は23打数8安打の活躍であった。
殊勲賞
南海 政野岩夫 1
27日のジャイアンツ戦でスタルヒンと投げ合って1対0の完封勝利を飾る。この試合は59分で終了している。
名古屋 村瀬一三 1
25日の金鯱戦で二打席連続二塁打を放ち試合を決める。
敢闘賞
阪急 伊東甚吉 1
阪急優勝の要因の一つに内野守備力があげられる。チーム守備率は0.973で九球団一位である。因みに二位以下は南海0.967、タイガース0.963、セネタース0.960、名古屋0.959、ジャイアンツ0.958、ライオン0.955、金鯱0.946、イーグルス0.945である。
阪急の守備力向上は伊東甚吉、田中幸男の滝川中学コンビの加入によるものであり、打撃面でも伊東は今節13打数5安打の活躍を見せた。
南海 平野正太郎 1
23日の金鯱戦でプロ入り初勝利を完投で飾り、チームに勢いを付けた。南海はここから三連勝を続けている。
技能賞
阪急 浅野勝三郎 1
22日のライオン戦で完封勝利。打撃でもファーストに入って三番を打つことがある。
名古屋 大沢清 1
25日の金鯱戦で2安打完封勝利。投手としては生涯唯一の完封であった。
セネタース 苅田久徳 1
苅田に今更技能賞でもないが、29日の阪急戦では一試合で二度の無補殺併殺を完成させて、記録に現れる名人芸を見せつけた。
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