2011年10月9日日曜日

14年 セネタースvsジャイアンツ 4回戦


5月21日 (日) 甲子園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 セネタース    14勝13敗 0.519 野口二郎
0 0 0 0 0 0 0 4 X 4 ジャイアンツ 20勝9敗   0.690 中尾輝三 スタルヒン


勝利投手 中尾輝三 3勝2敗
敗戦投手 野口二郎 8勝6敗


二塁打 (ジ)白石、水原

白石敏男、決勝打


 ジャイアンツは先発の中尾輝三に不安があるのか川上哲治を外してファーストに永澤富士雄を入れて五番。川上はリリーフの用意をするようである。

 その中尾は1回、いきなり9球で苅田久徳、横沢七郎と二者連続四球。しかし苅田が三盗失敗、横沢を一塁牽制で刺してピンチを逃れる。2回も2四球とエラーで一死満塁とするが柳鶴震を三振、織辺由三を捕邪飛に打ち取る。3回もヒットと四球で一死一二塁とするが四番佐藤武夫は二ゴロ、浅岡三郎は三邪飛に打ち取る。これでは川上もブルペンで投げ通しでしょう。

 4回も四球で柳を歩かせるが織辺は二打席連続捕邪飛、要するにストライクが入るのは稀であるが入れば前に飛ばさせないだけの球威があると言うことでしょう。5回も四球とエラーで一死一二塁とするが佐藤は中飛、浅岡が右飛に倒れる。6回は野口二郎、家村相太郎が連続右飛、柳が右前打を放つが織部は二ゴロ。7回は一死後横沢が四球で出るが二盗に失敗。中尾は7回まで2安打8四球2三振で無失点に抑える。

 一方、野口二郎は中尾とは対照的に7回まで6本のヒットを許すが無四球。1回は先頭の白石敏男を内野安打で出すが千葉茂の遊ゴロで「6-4-3」のゲッツー。5回は永澤のピッチャー強襲ヒットとアチラノ・リベラ(アデラーノ・リベラ)の右前打で無死一三塁のピンチを迎えるが、井上康弘のスクイズが投飛となって三塁に送球してゲッツー。7回も先頭の千葉をピッチャー強襲ヒットで出すが中島治康の投ゴロで「1-4-3」のゲッツー。こちらも7回まで無失点で切り抜ける。

 セネタースは8回、先頭の佐藤武夫が左前打で出塁、浅岡の遊ゴロでランナーが入れ替わり、野口の三ゴロをサード水原茂が二塁に送球するがセカンド井上が落球して一死一二塁、しかし家村は三振、柳は左飛に倒れて無得点。下位打線では中尾の球威に勝てないようである。

 ジャイアンツは8回、遂に野口を捕えて一死後井上に代わる代打平山菊二が左前打で出塁、吉原正喜も左前打で続き中尾に代わる代打川上は中飛に倒れて一死一二塁、トップに返り白石が右中間に二塁打を放ち二者を迎え入れて2-0と均衡を破る。水原も左中間に二塁打を放ち3-0、千葉の右前タイムリーで4-0、更に中島も右前打で続きこの回6安打を集中させて試合を決める。


 ジャイアンツ・藤本定義監督は9回にはスタルヒンを投入して三者凡退で逃げ切る。中尾が早めに捕まれば川上をリリーフに送る算段であったが勝機と見るやスタルヒンを注ぎ込んだものであろう。ジャイアンツはこれで首位阪急に2厘差と迫った。本日の第三試合にはタイガースvs阪急の大一番が控えている。





*白石が「敏男」から「勝巳」に改名するのは広島に移る1950年からで1949年までは「白石敏男」であった。サインは戦後のもので、1949年入団の手塚明治と共に書かれているので1949年のものと推定される。




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