2013年9月9日月曜日

三冠への道 2013 ⑰



 “手負いの虎”ミゲール・カブレラは本日も4打数無安打、9月に入って僅か4試合の出場で13打数2安打。一方、マイク・トラウトは10試合連続安打を記録して9月は8試合で26打数13安打、遂に1分5厘差に迫ってきました。


 本日は混迷を続けるナショナル・リーグMVP予想大特集といきましょう。


 とにかく打撃陣に候補がいない。31本塁打(二位)、107打点(一位)のポール・ゴールドシュミットが最右翼であると考えられますが、当ブログが春から指摘しているとおりあの軸のぶれるバッティングではシーズンを通して好成績をキープするのは難しい。9月に入って8試合で28打数5安打1割7分9厘、今季通算打率は2割9分3厘に低下してOPSが0.931ではとても「えむヴいぴーだ~」などとは言っていられないでしょう。32本塁打でリーグトップに立つパイレーツのペドロ・アルバレスは三振も171個でリーグトップ、打率2割3分1厘でOPS0.767では候補にもあがりません。101打点でゴールドシュミットに迫ってきたレッズのブランドン・フィリップスも打率2割6分5厘でOPS0.729では厳しいですが守備力が加味されれば可能性は残ります。


 “進め”パイレーツを引っ張るアンドルー・マカッチェンは3割2分2厘(四位)、19本塁打(二十位タイ)、76打点(十二位)で通常であれば圏外ですが何と言っても今季最大の話題である20年連続負け越しのパイレーツを優勝争いまで引っ張ってきた功績は大きい。ところがぎっちょん、肝腎のパイレーツが三位に転落するのは時間の問題となってきました。現在の勢いではナ・リーグ中地区はシンシナチ・レッズが逆転優勝でしょう。当ブログは8月7日に「すすめ!!パイレーツ 」を特集させていただきましたが、「シーズン終了時点ではポシャっている可能性がありますのでピークと考えられるこの時点でパイレーツ特集といきましょう。」と書かせていただいたとおりの展開となってきました。


 現在3割3分で首位打者に立っているブレーブスのクリス・ジョンソンは10本塁打59打点OPS0.829ではMVPには程遠く、3割2分8厘で二位のマイケル・カダイアーは18本塁打76打点OPS0.922で可能性はありますがコロラド・ロッキーズの打者にはMVP投票では得票が集まらないことは歴史が証明しています(高地にあって打球がよく飛ぶため)。三位のジェイソン・ワースは終盤調子がいいので印象は良いかもしれませんがナショナルズの142試合中110試合にしか出ていないので無理でしょう。首位打者を狙える位置にいたカージナルスのヤディア・モリーナも3割2分で五位に落ちてきました。



 ということで、当ブログはナ・リーグMVPはアトランタ・ブレーブスの絶対的守護神であるクレイグ・キンブレルと予想します。突出した選手がいる訳ではない今季のブレーブスの安定した成績は、キンブレルの右椀に依拠していると言っても過言ではないでしょう。今季ここまで58試合に登板して3勝2敗44セーブ、57回3分の2を投げて奪三振83個、防御率0.94、被打率1割5分9厘、WHIP0.85の数字もさることながら、ペドロ・マルチネス以来と言っても文句が出てこない見事な球筋がMVPの根拠です。


 但し、ナショナル・リーグのサイ・ヤング賞はドジャースのクレイトン・カーショウであると考えています。当ブログの予想通りカーショウがサイ・ヤング賞、キンブレルがMVPとなると、1956年にサイ・ヤング賞が制定されて以降、投手のMVPは10人いますが全てサイ・ヤング賞とのW受賞なので、サイ・ヤング賞ではない投手のMVPは史上初のことになります。正確にはサイ・ヤング賞制定以前、1950年のナショナル・リーグMVPであるフィリーズのジム・コンスタンティ以来のこととなります。ジム・コンスタンティはリリーフ投手の地位を確立させたとも言われているので、63年ぶりのサイ・ヤング賞ではない投手のMVPにはクレイグ・キンブレルが相応しいのではないでしょうか。









 

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