2013年9月1日日曜日

16年 大洋vs南海 2回戦


4月8日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14  計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0   0   2   2 大洋 3勝1敗 0.750 野口二郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0   0   0   0 南海 1勝3敗 0.250 神田武夫

勝利投手 野口二郎 1勝0敗
敗戦投手 神田武夫 1勝1敗

二塁打 (大)濃人、野口 (南)国久

勝利打点 野口二郎 1


猛打賞 (大)野口二郎(5安打) 1 (南)国久松一 2



真の“二刀流”

 大洋は野口二郎が今季初先発。南海は4月3日の開幕戦でプロ入り初登板初先発初勝利の神田武夫が二度目の先発。午後1時ちょうど、倉信雄プレートアンパイアの右手が上がりプレイボール。


 大洋は初回、先頭の苅田久徳が四球で出塁、高橋輝彦がセンター左にヒットを放って無死一二塁、しかし濃人渉の三ゴロを捕球したサード安井健太郎がそのまま三塁ベースに入って苅田は三封、濃人は強硬策だったようだ。黒澤俊夫、石井豊は連続左飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 大洋は2回、一死後野口が三塁に内野安打、佐藤武夫が中前打で続いて一死一二塁、しかし西岡義晴は二飛、苅田は遊ゴロに倒れる。

 大洋は3回、一死後濃人が左中間に二塁打、黒澤の遊ゴロをショート前田貞行がお手玉、これを見て二走黒澤が三塁を狙うが「6-5」と送球されてタッチアウト、石井は中飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 大洋は4回、一死後野口が中前打を放つが佐藤の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー。

 一方、南海は1回、2回と三者凡退。2回は鬼頭数雄、村上一治、安井が三者三振であった。3回一死後前田が左前打を放つが神田の投ゴロが「1-6-3」と転送されてダブルプレー。


 0対0のまま迎えた南海9回裏の攻撃、先頭の国久松一が右中間に二塁打を放ってサヨナラのチャンス、大洋ベンチはここでライトを西岡から織辺由三に交代、岡村俊昭は二飛に倒れて一死二塁、大洋ベンチはライトの織辺をレフトに回し、レフトの黒澤に代わって村松長太郎がライトに入る布陣を敷く。岩本義行は中飛に倒れて二死二塁、鬼頭には四球が記録されているがこれは敬遠でしょう。村上は左飛に倒れて延長戦に突入する。

 石本秀一総監督と苅田久徳監督が細かい守備交代を見せたが、ポイントは両人が織辺由三の守備を買っていた点でしょう。岡村の右打ちに備えてまずは織辺をライトに入れ、岩本の引っ張りに備えて四番の黒澤に代えてレフトに回したというところではないでしょうか。

 大洋は12回、先頭の野口が中前打で出塁、キャッチャー木村勉の一塁牽制が悪送球となって無死二塁、佐藤が送って一死三塁、織辺の打席でワンストライク後の2球目をスクイズ、これを読んでいた神田-木村のバッテリーがウエストして三走野口はタッチアウト。スコアカードには野口がキャッチャーにタッチされたとだけ記載されており、「雑記」欄に「スクイズ失敗か」と書かれているので上記のように実況しました。「スクイズ失敗か」と書かれているのは清書版で追記されたものでしょう。

 大洋は14回、先頭の村松が四球を選んで出塁、石井がレフト線にヒット、浅岡三郎が四球を選んで無死満塁、ここまで5打数4安打の野口がライト線に二塁打を放って2点を先制する。

 南海は14回裏、先頭の岩本の三ゴロを名手高橋がエラー、鬼頭が中前打を放って無死一二塁、しかしここから野口が鬼神の如き粘りを見せて村上は遊飛、安井は中飛、木村は投飛に倒れて大洋が激戦を制す。試合終了は午後2時59分、試合時間は1時間59分でした。


 野口二郎は150球を投げて延長14回を8安打2四球7三振で完封、打っても6打数5安打2打点1盗塁で猛打賞を獲得、決勝打を放って勝利打点を記録した。2013年のプロ野球では“二刀流”という単語を安易に用いているが、こういうのを真の“二刀流”と言うのですよ。


 神田武夫は200球を投げて延長14回を完投、11安打4四球8三振2失点であった。神田にはいい勉強になったのではないでしょうか。神田武夫が飛躍するきっかけとなる試合として記憶されるべきゲームでしょう。









*野口二郎は150球で延長14回を完封した。神田武夫は200球を投げている。











     *野口二郎が6打数5安打2打点を記録した大洋打線。













*下の場面について「雑記」欄には「スクイズ失敗か」と書かれている。戦後に清書版が作成された時に書き足されたものでしょう。

 七番(野口二郎)が中前打で出塁、(2’-3)は「八番(佐藤武夫)の打席でワンボール後、キャッチャー牽制悪送球により一走が二進」と読みます。((-2))とアンダーバー2は「九番(織部由三)の打席のツーストライク目でキャッチャーにタッチされてツーアウト」と読みます。スクイズをウエストされて織辺は空振り、三走野口がタッチアウトというケースが想定されます。野口二郎の本盗失敗であれば野口に盗塁死が記録されるところですが野口に盗塁死は記録されていませんので上記のような解釈となります。



















 

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