昭和16年のスコアブックでは、「雑記」欄に「好守」や「好捕」等の記載が認められております。17年にもありますが、18年にはなく、19年には記載されています。21年以降のスコアブックにもこの記載は認められますので、昭和16年から公式記録員が「ファインプレー」として認定したプレーについては「好守」や「好捕」等の記載を「雑記」欄に残すこととしたようです。
当ブログでは、これを「ファインプレー賞」として公表していくことにしました。恣意性が排除されているのか疑問点がない訳ではありませんが、これも日本プロ野球史に残すべき記録ではないかと考え、「勝利打点」の下に付け加えていきます。
第1節の22試合は後楽園球場で10試合、西宮球場で12試合が行われていますが、「ファインプレー賞」は後楽園の試合で14個、西宮の試合で1個が認められております。関東の試合は広瀬謙三公式記録員が判定していたと考えられますが、関西の試合は委託している新聞記者の裁量に任せていたと考えられますので、目線が合っていない可能性があります。
また、一般的に守備の名手と言われている選手に多く記録されていますので、先入観により客観性が損なわれている可能性があります。但し、名手が多くの「好守」や「好捕」を見せるのも当然のことではあります。
2013年9月9日付けブログ「16年 第1節 週間MVP」では「技能賞」に中河美芳を選出した上で「今節3個のファインプレー賞に輝く。なお、ファインプレー賞については追ってお知らせいたします。」と書かせていただきました。中河の「ファインプレー賞」については当初「2個」と書いておりましたが再度の見直しにより「3個」であったことが判明しておりますので、この場をお借りして訂正させていただきます。本文は訂正済みです。
昭和16年分についてはこれまで記録された15個を書き加えていますのでご確認ください。4月3日の大洋vs巨人1回戦で大洋2回の攻撃で記録された「3-1A」についてはファースト川上哲治とピッチャー須田博のどちらがファインプレーであったのかは判然としませんので両者を「ファインプレー賞」としています。そもそも連携プレーを「好守」と認定したのかもしれません。4月7日の黒鷲vs大洋1回戦で大洋6回の攻撃で記録された「5-4-3」及び大洋8回の攻撃で記録された「5-3」については、何れも「一塁手好捕」と書かれていますので、黒鷲のファースト中河美芳が両足を蛸のように広げてキャッチしたことになります。
百聞は一見に如かず、いくつかの事例を下の写真でご確認ください。
*4月3日の南海vs黒鷲1回戦、初回の岩本義行の打席は遊飛ですが横に「①」が付されています。「雑記」欄には「① 好捕」と書かれており、黒鷲のショート山田潔がファインプレーにより好捕したものです。
*4月4日の黒鷲vs巨人1回戦、黒鷲5回の攻撃で長谷川重一の第二打席は三ゴロで横に「①」が付されています。「雑記」欄には「① 攻守」と書かれていますので、巨人のサード水原茂がファインプレーを見せたことになります。
*4月7日の黒鷲vs大洋1回戦、大洋の西岡義晴の第二打席は中飛で「①」が付されており、佐藤武夫の第三打席は三ゴロ併殺で「②」が付されています。「雑記」欄の①は「好捕」なので黒鷲のセンター森田実がファインプレー、②は「一塁手好捕」となっていますのでサード、セカンドと転送されてきた送球をファースト中河美芳が蛸足を伸ばして好捕したことになります。
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