2013年2月28日木曜日

15年 イーグルスvsセネタース 9回戦 満州リーグ


8月22日 (木) 新京 児玉公園球場

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 0 1 0 0 2 イーグルス 34勝33敗4分 0.507 長谷川重一 中河美芳
0 1 0 1 1 2 0 0 X 5 セネタース 38勝24敗9分 0.613 野口二郎

勝利投手 野口二郎  24勝8敗
敗戦投手 長谷川重一 9勝6敗

二塁打 (セ)村松

勝利打点 村松長太郎 1


野口二郎24勝目

 セネタースは昭和11年シーズン後兵役に就いて4年ぶりに帰還復帰してきた高橋輝彦が復帰後初スタメンで五番サードに入る。

 イーグルスは初回、先頭の岡田福吉が左前打で出塁、二死後中河美芳の二ゴロを名手苅田久徳がエラーして二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて1点を先制する。

 セネタースは2回、先頭の柳鶴震がピッチャー強襲ヒット、小島二男の左前打で無死一二塁、石井豊の投ゴロで二走柳は三封、織辺由三の二ゴロで一走石井が二封されて二死一三塁、トップに返り苅田が四球を選んで二死満塁、村松長太郎が押出し四球を選んで1-1の同点とする。

 セネタースは4回、一死後石井豊が左前打で出塁、織辺由三の投ゴロをピッチャー長谷川重一が二塁に送球するがセカンド岡田福吉が落球して一死一二塁、トップに返り苅田の三前セーフティバントが犠打となって二死二三塁、村松のショートへの内野安打で石井が還り2-1と勝ち越す。

 セネタースは5回、一死後高橋輝彦が右翼線にヒット、柳鶴震の三ゴロの間に高橋は二進、小島の遊ゴロをショート山田潔が失して二死一三塁、石井が左前にタイムリーを放って3-1とする。

 セネタースは6回、先頭の苅田が左前打、村松が右中間に二塁打を放って無死二三塁、野口二郎の右犠飛で4-1、ワイルドピッチで村松は三進、小林茂太は四球を選んで二死一三塁、6回表の守備から高橋に代わってサードに入っている横沢七郎が右前にタイムリーを放って5-1と突き放す。

 イーグルスは7回、先頭の谷義夫が右前打、長谷川も右前打、竹内功は三振に倒れるが清家忠太郎が中前打を放って一死満塁、山田の中犠飛で2-5とするがここまで。

 野口二郎は7安打2四球5三振の完投で24勝目をあげる。翌日の満州日日新聞によると「球速に幾分持前のスピードを欠いているが鋭く切れ込むカーブ、外角をかすめる直球のコントロール程よく」とのこと。

 その野口を助けたのは4打数3安打1得点2打点の村松長太郎であった。野口と村松は昭和12年の第14回センバツ決勝で中京商業、浪華商業のエースとして投げ合い村松が投げ勝って優勝している。野口にとって甲子園で唯一の黒星であった。プロではセネタースで同僚となり村松は外野手に転向している。


 4年ぶりの復帰となった高橋輝彦は19日の阪急戦で途中出場して2打数2安打、本日は五番に起用されて3打数1安打で6回から横沢七郎と交代した。未だ体力回復とはなっていないようであるが、“百万ドル内野”の一角が復活した。








            *野口二郎は7安打2四球5三振の完投で24勝目をあげる。












     *高橋輝彦がスタメン五番で復帰したセネタース打線。









 

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