8月21日 (水) 大連 満倶球場
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
5 0 0 0 0 0 0 0 1 6 ジャイアンツ 51勝20敗 0.718 澤村栄治
0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 ライオン 17勝49敗4分 0.258 山本尚敏 井筒研一
勝利投手 澤村栄治 7勝0敗
敗戦投手 山本尚敏 0勝2敗
二塁打 (ジ)川上2、白石2、呉
三塁打 (ジ)呉、川上 (ラ)戸川
勝利打点 川上哲治 13
ミクロの決死圏
今季バットマンレースでミクロの争いを演じていく鬼頭数雄と川上哲治による直接対決。
ジャイアンツは初回、先頭の呉波がセンター左奥に三塁打、水原茂は三ゴロに倒れるが川上哲治がセンター右奥に二塁打を放って1点を先制、中島治康は中飛に倒れるが、千葉茂が左前にタイムリーを放ち2-0、白石敏男の左翼線二塁打で二死二三塁、平山菊二の三ゴロをサード松岡甲二が一塁に高投する間に千葉と白石が還って4-0、平山は二塁に進んで二死二塁、吉原正喜が左前にタイムリーを放って5-0、更に澤村栄治も中前打を放って二死一二塁、ライオンベンチはここで先発の山本尚敏に代えて井筒研一をマウンドに送り、トップに返り呉が遊ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。
ライオンは4回、一死後玉腰年男が四球で出塁、鬼頭数雄は左邪飛に倒れるが戸川信夫が右中間に三塁打を放って1-5とする。
ジャイアンツは9回、先頭の吉原が中前打、澤村も右前打で続いて無死一三塁、トップに返り呉は浅い右飛に倒れて一死一三塁、水原の右飛をライト村上重夫が落球して6-1とする。
澤村栄治は3安打2四球2三振の完投で無傷の7連勝を飾る。翌日の満州日日新聞によるとこの日の澤村はストレートで押していたようである。それにしては三振は2個だけであった。左飛が6個、中飛が4個、右飛が4個でジャイアンツ外野陣は14個の刺殺を記録している。澤村の球質は「軽い」と言われているが、矢張りスピードが落ちており外野に運ばれているようである。
川上哲治が5打数3安打二塁打2本、三塁打1本を記録して、夏季シリーズ147打数50安打、3割4分で首位打者の座をキープ。満州リーグで調子を落としている鬼頭数雄は4打数1安打で夏季シリーズ147打数45安打、3割6厘で二位となっている。今季通算では鬼頭が270打数89安打、3割2分9厘6毛で首位打者の座をキープ、川上は264打数86安打、3割2分5厘8毛と迫ってきた。いよいよミクロの決死圏に突入しました。
「ミクロの決死圏」はSF・サスペンス映画ですが原題「Fantastic Voyage」がこの作品の本質を表しています。襲撃された東側科学者の生命を助けるため、1時間の縮小技術しか開発できていない西側陣営が東側科学者の体内に縮小した潜水艇を潜り込ませるサスペンスですが、幻想的な映像でアカデミー美術賞と視覚効果賞を受賞しています。ラクウェル・ウェルチの豊満な体に心ときめかせた方も多かったのではないでしょうか。主役のスティーブン・ボイドは「ベン・ハー」ではチャールトン・ヘストン演じるベン・ハーのライバルでした。スパイ役のドナルド・プレザンスは「大脱走」では書類偽造技術で活躍しています。細かな作業の連続で視力を失いますが、相棒のジェームス・ガーナー演じる資材調達係と大脱走することとなります。「刑事コロンボ」で最高傑作と言われている「別れのワイン」の犯人役もドナルド・プレザンスでした。
*澤村栄治は3安打完投で7勝目をあげる。
*川上哲治が4打数3安打を記録したジャイアンツ打線。
*鬼頭数雄は4打数安打に終わったライオン打線。
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