8月22日 (木) 新京 児玉公園球場
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
3 0 0 0 0 1 1 2 1 8 南海 19勝47敗5分 0.288 政野岩夫 清水秀雄
0 0 2 1 0 0 0 1 0 4 金鯱 18勝47敗7分 0.277 古谷倉之助 中山正嘉 長尾貞利
勝利投手 清水秀雄 9勝15敗
敗戦投手 中山正嘉 11勝23敗
二塁打 (南)岡村2、木村、吉川
勝利打点 上田良夫 1
失敗は成功のもと
ここまで金鯱が18勝46敗で勝率2割8分1厘、南海が18勝47敗で勝率2割7分7厘、半ゲーム差で七位争いを繰り広げる両チームによる決戦。
南海は初回、先頭の岩出清が中前打で出塁、藤戸逸郎も左翼線にヒットで続いて無死一二塁、岡村俊昭の一ゴロの間に二者進塁して一死二三塁、吉川義次が四球を選んで無死満塁、国久松一が右前に2点タイムリー、ライト室脇正信がこの打球を逸らす間に一走吉川もホームに還って3-0とする。
金鯱は3回、先頭の漆原進が中前打、トップに返り五味も中前打、佐々木常助が三前に送りバントを決めて一死二三塁、濃人渉が右前に2点タイムリーを放って2-3とする。
金鯱は4回から先発の古谷倉之助をファーストに回して中山正嘉をリリーフに送る。
金鯱は4回裏、二死後中山が左前打で出塁、漆原進の左前打をレフト木村勉が逸らす間に中山は三塁に進みホームを狙う。木村からの返球を中継したショート上田良夫のバックホームが悪送球、ダブルエラーとなって一走中山が還って3-3の同点とする。
南海は6回、二死後木村が左中間に二塁打、上田が中前にタイムリーを放って4-3と勝ち越す。この1点が決勝点となって上田には勝利打点が記録される。4回にダブルエラーを犯して同点に追い付かれた木村と上田で決勝点を奪った。
勝ち越した南海は6回から先発の政野岩夫に代えて清水秀雄をマウンドに送る。
南海は7回、二死後吉川が右中間に二塁打、国久松一は四球を選んで二死一二塁、木村が左前にタイムリーを放って5-3とする。
南海は8回、二死後岩本義行が右前打、藤戸が中前打で続いて二死一二塁、岡村が左翼線に2点タイムリー二塁打を放って7-3と突き放す。
金鯱は8回裏、古谷、室脇が連続四球、松元三彦の左前打で無死満塁、中山の左犠飛で4-7とする。二走室脇もタッチアップからスタートを切るが、レフト木村からの返球をカットしたピッチャー清水が二塁に送球して室脇はタッチアウト、珍しく犠打と併殺が記録された。
南海は9回、先頭の国久が死球を受けパスボールで二進、木村は遊直に倒れるが、上田が右前にこの日2本目となるタイムリーを放って8-4として試合を決める。
南海先発の政野岩夫は5回を投げて6回表に味方が勝ち越し、6回裏から清水秀雄が登板して逃げ切っているので現行ルールであれば政野に勝利投手が記録されて清水にセーブが記録されるところであるが、公式記録では清水に勝利投手が記録されている。
3回にダブルエラーを犯して同点に追い付かれた木村勉と上田良夫がミスをカバーして余りある活躍を見せた。失敗をバネにして次のステップにつなげる、現代のビジネス社会でも通用する教訓です。
*3回の守備でダブルエラーを犯した木村勉と上田良夫が活躍した南海打線。
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