8月19日 (月) 新京 児玉公園球場
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 6 0 0 1 1 0 0 8 名古屋 40勝27敗5分 0.597 村松幸雄
2 0 0 2 0 0 0 0 0 4 南海 18勝47敗5分 0.277 清水秀雄
勝利投手 村松幸雄 16勝8敗
敗戦投手 清水秀雄 8勝15敗
二塁打 (南)岡村、清水、伊藤
三塁打 (名)中村
勝利打点 なし
やってられないわ
新京の第一試合は午後3時59分、倉信雄主審の右手が上がりプレイボール。試合開始時刻は通常に戻った。
南海は初回、先頭の岩本義行が左翼線にヒット、木村勉の遊ゴロでランナーが入れ替わり、岡村俊昭が右中間に先制のタイムリー二塁打を放って1-0、国久松一は中飛に倒れるが、吉川義次が中前タイムリーを放って2-0とする。
名古屋は3回、先頭の芳賀直一が四球で出塁、村松幸雄は三振に倒れるが、トップに返り石田政良が左前打、村瀬一三が四球を選んで一死満塁、大沢清は遊飛に倒れるが、吉田猪佐喜が中前に同点の2点タイムリーを放って2-2、一走村瀬は三塁に進んで二死一三塁、桝嘉一の打席で吉田がディレードスチール、キャッチャー吉川からショート上田良夫に送球されて吉田は一二塁間に挟まれ挟殺プレー、上田からファースト伊藤経盛に転送されるが伊藤がこれを落球、この間に三走村瀬が還って3-2と勝ち越し、桝は例によって四球を選んで二死一二塁、中村三郎が右中間に三塁打を放って5-2、三浦敏一の投ゴロをピッチャー村松が一塁に悪送球する間に三走中村が還って6-2とする。この後芳賀と村松の遊ゴロをショート上田が連続エラーして二死満塁とするが、石田は左飛に倒れてスリーアウトチェンジ。
南海は4回、二死後清水秀雄が左中間に二塁打、上田が左前にタイムリーを放って3-6、このところ打撃好調の伊藤が右中間にタイムリー二塁打を放って4-6と追い上げる。
名古屋は6回、先頭の村松の三ゴロをサード藤戸逸郎がエラー、二死後大沢は四球、吉田が右前にタイムリーを放って7-4と突き放す。
名古屋は7回、先頭の中村が左翼線にヒット、三浦の二ゴロをセカンド国久松一がエラーする間に一走中村が一気にホームを駆け抜け8-4として試合を決める。
村松幸雄は7安打1四球3三振の完投で16勝目をあげる。失点は4で自責点も4であった。
清水秀雄も9回を完投して6安打5四球13三振の力投、8失点であったが自責点は2であった。中村三郎から3三振を奪い、しぶとい桝嘉一からも2三振を奪った。
南海はショート上田良夫の3失策を筆頭にピッチャー清水も含めて内野陣全員失策で7失策を記録した。これが清水の失点8、自責点2の理由である。鶴岡一人が兵役で抜けた今季の南海守備陣はボロボロで、大和球士は「真説 日本野球史」に「不運の大投手・清水秀雄」の項を設けている。清水としては山口百恵に先駆けること38年、「やってられないわ」(「絶対絶命」歌唱・山口百恵、作詞・阿木燿子、1978年8月21日発売の歌詞より)というところでしょう。
*村松幸雄は7安打完投で16勝目をあげる。一方、清水秀雄は名古屋打線を6安打5四球13三振に抑えるが力投報われず。
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