2011年2月24日木曜日

13年春 阪急vs名古屋 5回戦

7月16日 (土) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 2 0 1 0 0 0 0 0 3 阪急    21勝13敗 0.618 高橋敏 浅野勝三郎
0 0 0 3 1 0 0 0 X 4 名古屋 11勝23敗 0.324 繁里栄 森井茂


勝利投手 森井茂 4勝10敗
敗戦投手 高橋敏 1勝1敗


二塁打 (阪)大原 
本塁打 (名)三浦 2号


三浦敏一、連日の殊勲


 阪急は2回、一死後宮武三郎が四球で出塁、キヨ野上清光が右前打を放ち一死一二塁、宇野錦次の投ゴロは1-5-3と渡るがサードはセーフで一塁はアウトとなり二死二三塁、名古屋はここで早くも先発の繁里栄が降板して二番手に森井茂が登場、大原敏夫が代わりばなを左中間に二塁打して二者を迎え入れて2-0と先制する。

 阪急は4回、この回先頭のジミー堀尾文人が四球で出塁、宮武の左前打をレフト鈴木秀雄がエラーして無死一三塁、野上は一ゴロに倒れるが宇野が右犠飛を打ち上げて3-0とリードを広げる。

 名古屋は4回、この回先頭の大沢清が四球で出塁、白木一二が右前打、倉本信護は左飛に倒れて一死一二塁、ここで三浦敏一が左翼スタンドに凄い当たりの大本塁打をかっ飛ばして(翌日の読売新聞にはこう書かれています)3-3の同点に追い付く。三浦は昨日のサヨナラヒットに続く殊勲の一打となった。

 名古屋は5回、この回先頭の桝嘉一が四球で出塁、鈴木秀雄に代わる代打石田政良の投前送りバントをピッチャー高橋敏が失して犠打エラーとなり無死一二塁、阪急は先発高橋が降板して浅野勝三郎をリリーフに送る。大沢二飛、白木右飛と國學院大學出身の右打ち巧者二人が凡退して二死一二塁、ここで中島治康と激しい首位打者争いを演じてきた二走桝、一走石田が決死のダブルスチールを敢行、キャッチャー大原の三塁送球が悪送球となり桝が還って決勝の1点をあげて逃げ切り4A対3で名古屋が阪急を降す。

 阪急の二番手浅野勝三郎は4イニングを1安打無四球1三振無失点の好投を見せるが打線の援護がなかった。ロングリリーフの森井茂は7回3分の1を6安打3四球1三振1失点に抑えて今季4勝目をあげる。名古屋は6安打であったがそのうち森井茂が3打数3安打であった。

 名古屋の決勝点は一二塁からのダブルスチールがキャッチャー悪送球を誘ったものであった。昭和48年センバツ準決勝、怪物江川と対戦した広島商業は8回裏、一二塁からダブルスチールを敢行、二塁ランナー金光が三塁に滑り込むと小倉捕手の送球が逸れて金光がホームイン、江川を破って決勝に進出しましたが剛腕永川を擁する横浜高校に敗れます。夏の大会2回戦で江川を撃破した銚子商業も順々決勝で静岡高校に敗れました。江川に勝つと一瞬のエアポケットに入ってしまうのでしょう。広島商業はこの年の夏は決勝で静岡高校を破って優勝、銚子商業は翌年の夏を制すこととなります。因みにこの年の静岡高校は公立進学校としては史上最強チームでしょう。植松、水野、白鳥と並ぶクリーンナップはプロ並みでした。


*昭和48年夏の甲子園を制した広島商業。迫田監督、金光主将、主砲楠原、佃・達川のバッテリー、名二塁手川本、決勝でサヨナラスリーバントスクイズを決めた大利選手が名を連ねます。


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