2011年2月13日日曜日

13年春 タイガースvsライオン 4回戦

7月10日 (日) 上井草


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 1 0 0 0 0 1 1 4 タイガース 24勝5敗   0.828 御園生崇男
0 0 1 0 0 0 0 0 1 2 ライオン    8勝23敗 0.258 菊矢吉男


勝利投手 御園生崇男 10勝1敗
敗戦投手 菊矢吉男       7勝16敗


二塁打 (ラ)煤孫


タイガース、マジック3


 タイガースは一番本堂保次をファーストに入れて二番にセカンド藤村富美男、松木謙治郎を下げて八番ライトに塚本博睦を入れる。石本秀一監督は何とか塚本を使おうとしている。
 ライオンは二番ショートに山本尚敏を起用、ライオンはショート中野隆雄の守備が最大のネックとなっており、中野隆雄をサードに回して昭和11年以来の試合出場となる山本をショートに配してきた。

 タイガースは初回、二死から山口政信が四球で出塁、すかさず二盗を決めて二死二塁、景浦将の四球は敬遠の可能性が高い。二死一二塁から伊賀上良平が左翼線にタイムリーを放って1点を先制する。2010年12月8日付ブログ「12年秋 講評」において「当ブログからMVPを選出するとすれば山口政信に贈呈したい。」と書きましたが、山口はこれができるからMVPに相応しいと判断した訳です。こうやって1点を拾っていけるのがタイガースの強味な訳です。

 タイガースは3回、この回先頭の本堂が四球で出塁、藤村の右前打で無死一三塁、ここで藤村がディレード気味にスタートを切るとキャッチャー日野弘美はショート山本に送球、本堂がホームを突くが2-6-2と送球されて本堂はタッチアウト、本堂には盗塁失敗が記録される。藤村がセカンドに走り日野が再度ショートに送球するがこれが悪送球となって藤村は三塁に進む。この場面を翌日の読売新聞は「重盗を刺そうとした捕手の二塁悪投」と記しているがこれは正確ではない。本堂は「2-6-2」でアウトとなり盗塁失敗が記録されていることからタイガースの重盗は失敗に終わっているわけで、藤村に対する悪送球はその次のプレーとなる。因みに藤村の二塁進塁にも三塁進塁にも盗塁は記録されていない。ということは二塁進塁は重盗失敗による進塁で、この場合片割れには盗塁は記録されない。三塁進塁はキャッチャー日野の悪送球によるものでこのプレーで日野には失策が記録されている。山口三振後、景浦が左前にタイムリーを放って2-0とする。

 ライオンは3回裏、この回先頭の日野が四球で出塁、菊矢吉男は三振に倒れるがトップに返り坪内道則が中前打、山本左飛後、水谷則一が右前にタイムリーを放って1-2とする。

 前節の変則開催のあおりを受けて今節も変則開催となりライオンは本日が今節初登場で7月3日以来一週間ぶりの試合となり菊矢吉男は休養十分、むしろ肩が軽すぎるかもしれない。タイガースは3~5回は無安打、6回二死から本堂が右前打して二盗を決めるが藤村は中飛に倒れる。ライオンも御園生崇男の前に4~6回まで無安打、7回一死後菊谷が中前打を放つが坪内の二直に飛び出しダブルプレー。因みに当時は公式戦の合間を縫ってオープン戦が頻繁に行われています。本日はジャイアンツvs名古屋のオープン戦が仙台で行われている。名古屋は昨日の第二試合を上井草で行っており、16時10分に試合終了してから西武線で新宿に行き上野に出て恐らく夜行で仙台に向かったのではないか。ジャイアンツは昨日は試合が無かったので一足先に着いていたでしょうが。したがってライオンも休みの間にオープン戦を行っている可能性はありますが。地方ファンの開拓が名目でしょうが、少しでも入場料を稼ぎたいというお家の事情が優先されたのでしょう。現在の好環境に慣れきった選手会であれば「ストライキだー」と騒ぐでしょうが。

 タイガースは8回、一死後景浦が右前打で出塁、景浦の場合豪打ばかりが喧伝されているが、こういう出塁するべき場面では軽打で出塁することが多い。伊賀上左前打、カイザー田中義雄四球で一死満塁、御園生の二ゴロ併殺崩れの間に景浦が還って3-1とする。更に9回、先頭の本堂が四球で出塁、藤村が左前打で続き山口の右飛で本堂が三進、山口はこういう場面で進塁打が打てる。景浦が中犠飛を打ち上げて4-1とリードを広げる。当時は犠牲フライは記録されておらず凡打となるが景浦にも進塁打を打つと言う意識があった訳です。

 ライオンは9回、この回先頭の煤孫伝が左翼線に二塁打、中野のピッチャー強襲ヒットで無死一三塁、日野に代わる代打近藤久の一ゴロで中野は二封、煤孫は動けず一死一三塁、菊谷の投ゴロで二死二三塁、坪内の中前打で煤孫が還って2-4とするが山本は左飛に倒れてゲームセットを告げるサイレンが鳴り響く。

 御園生崇男は8安打5四球6三振の完投で今季10勝目をあげる。菊矢吉男も9回を8安打7四球5三振の完投ながら今季16敗目を喫す。

 タイガースはこれでマジックナンバーを3とする。本日の試合は目立たないがタイガースの強さの秘密が随所に見られた。タイガースを研究する人はこういう試合を研究材料とするべきでしょう。







*タイガース2回の重盗失敗の場面。本堂は2-6-2で盗塁失敗、藤村の二塁進塁は(a)となっており重盗失敗の片割れによる進塁でこの場合は盗塁は記録されません。三塁進塁ははキャッチャーからショートへの送球が高く逸れて悪送球となったことによるもの。2’がキャッチャーのエラー、2-6の-の上に・があるのが高く逸れた送球であることを表しています。

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