１３年春 セネタースvs阪急 ４回戦

7月1日 （金） 甲子園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 セネタース １１勝１６敗１分 0.407 遠藤忠二郎 金子裕
0 0 0 0 4 0 0 0 X 4 阪急 　　　  １６勝９敗           0.640 重松通雄


勝利投手 重松通雄     １勝０敗
敗戦投手 遠藤忠二郎 １勝２敗


重松通雄、最初と最後を三振で締める


　7月1日の第一試合はこちらです（14時ちょうどの試合開始）。先にアップしたライオンvs阪急3回戦（15時35分試合開始）は第二試合で逆になってしまいました。

　関東は梅雨明けが遅れているようで後楽園の試合は中止が続き、甲子園での試合ばかりが行われることとなる。阪急は重松通雄が今季初登板となった。

　阪急は初回、先頭の西村正夫が三塁への内野安打で出塁するが上田藤夫の送りバントがピッチャーへの小フライになって西村が飛び出しダブルプレー。4回にも山下好一、フランク山田伝の連打が出るが走塁ミスで得点はならず。

　阪急は5回、この回先頭のキヨ野上清光が右翼線にヒット、大原敏夫も左前打で続き遠藤忠二郎をマウンドから引きずり降ろし二番手には金子裕が登場。しかし重松の送りバントが金子の野選を誘い無死満塁、トップに返り西村は三邪飛に倒れるが上田が左前にタイムリーを放って2点を先制、重松も三塁を陥れ黒田健吾の二ゴロの間に生還して3-0、山下実監督も右前にタイムリーを放って4-0とする。

　セネタースは初回、先頭の苅田久徳が三振、重松の下手からのクセ球はセネタース打線のバットの芯を外し続け、3回までパーフェクトピッチング。4回に先頭の苅田に四球を与え、伊藤次郎が送りバントを決めて一死二塁とするが北浦三男を三飛、尾茂田叶を二飛と共に内野フライに打ち取りこの回も無得点。

　5回は三者凡退、6回は二死から苅田が遊失に生きるが伊藤も遊ゴロで得点無し。7回も三者凡退でいよいよノーヒットノーランが見えてきた。

　セネタースは8回、この回先頭の金子裕が二飛に倒れて後五人、しかしここで「元祖・意外性の男」家村相太郎が中前にヒットを放ち快挙の夢は潰える。横沢七郎も右前打で続き一死一二塁、こういう時にあっさりと打ち込まれるものだが重松の投球は乱れず磯野政次は二飛、苅田は右飛に倒れて無得点。

　最終回、伊藤三ゴロ、北浦投ゴロでツーアウト、最後は尾茂田が三振に倒れて、重松通雄は今季初登板を2安打1四球2三振の完封で飾ることとなった。

　重松通雄は「元祖・アンダースロー」候補の一人として知られるが、翌日の読売新聞には「今シーズン初登場の阪急投手重松は・・・抑えの利いた下手投の緩球はコーナーを自在に○って（旧字で解読不明、「操って」という意味と思われる＝筆者注）セ軍のミートを狂わせ・・・」という記述が見られる。


＊重松通雄のあわやノーヒットノーランを伝えるスコアブック