2012年9月12日水曜日

15年 ジャイアンツvs名古屋 3回戦



5月18日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8  9  計
1 0 0 0 0 0 0 1  0  2 ジャイアンツ 17勝10敗 0.630 スタルヒン
0 0 0 0 0 0 1 0 2X 3 名古屋         16勝7敗1分 0.696 松尾幸造 村松幸雄

勝利投手 村松幸雄  8勝1敗
敗戦投手 スタルヒン 9勝4敗

二塁打 (ジ)千葉
三塁打 (名)村瀬

勝利打点 桝嘉一 3


天王山

 勝率6割8分2厘で首位を行く名古屋と6割5分4厘で二位に付けるジャイアンツとの首位攻防戦。中尾輝三と松尾幸造との左腕剛球対決は春季シリーズの天王山となった。

 ジャイアンツは初回、先頭の白石敏男が左前打で出塁、水原茂の左翼線ヒットで白石は三塁を陥れて無死一三塁、千葉茂の一ゴロの間に白石が還って1点を先制する。

 立ち上がりを攻められた松尾は2回以降立ち直って2回、3回と三者凡退。4回は先頭の千葉に四球を与えるが千葉の二盗をキャッチャー三浦敏一が刺して、中島治康を二飛、川上哲治を遊飛と連続内野への凡飛に討ち取る。今日も元気のない川上は5回の守備から永澤富士雄と交代させられた。

 名古屋は初回、石田光彦、村瀬一三が連続四球を選んで無死一二塁とするが無得点。2回も2安打1四球で無得点。初回は大沢清が二盗に失敗、2回は吉田猪佐喜が中尾の牽制に刺された。3回は先頭の石田が四球を選ぶが村瀬の二ゴロは「4B-3」と渡ってダブルプレー。4回は大沢、吉田が連続三振後、中村三郎が四球を選び、三浦が右前打を放つが芳賀直一は右飛に倒れる。

 5回の攻撃で松尾に代打を送った名古屋は6回から村松幸雄がマウンドに上がる。

 前半戦はちぐはぐな攻撃が続いた名古屋は7回、一死後芳賀が四球を選んで出塁、村松の一ゴロの間に芳賀が二進、トップに返り石田がストレートの四球を選んで二死一二塁、村瀬もストレートの四球で二死満塁、続く桝嘉一のカウントがノーストライクツーボールとなり10球ボールが続いたところでジャイアンツベンチは中尾をあきらめて満を持してスタルヒンを投入する。ワンツー後の四球目は一塁ファウルグラウンドへの飛球となったがファースト永澤が痛恨の落球、命拾いした桝は2球ファウルで粘った遊ゴロ、これをショート白石が痛恨のエラー、三走芳賀が還って1-1の同点に追い付く。

 ジャイアンツは8回、先頭の白石が左翼線にヒット、水原が送って一死二塁、千葉が右翼線にタイムリー二塁打を放って2-1と勝ち越す。

 名古屋は9回裏、先頭の芳賀に代わる代打岩本章が左前打で出塁、村松に代わる代打服部受弘は中飛に倒れて一死一塁、トップに返り石田の二ゴロの間に岩本は二進して二死二塁、村瀬が右中間に同点三塁打を放って2-2、続く桝がワンツーからの4球目を右前にサヨナラ打、名古屋が3A対2でジャイアンツを降す。

 ジャイアンツは2連敗でセネタースに抜かれて三位に転落する。川上と中島は共に2試合連続無安打とブレーキになっている。


 本日のお立ち台は劇的なサヨナラヒットを放った桝嘉一であるが、同点三塁打を放った村瀬一三もヒーローである。村瀬は今季24試合で5本目の三塁打を放った。150試合に換算すれば30本を超えるペースである。昭和15年の三塁打王は首位打者となる鬼頭数雄の12本で、二位は長打力を誇る清水秀雄の10本、三位は川上哲治、中村三郎、村瀬一三の9本となる。今季378打数71安打打率1割8分8厘の村瀬が歴史的強打者に匹敵する三塁打を放つこととなる。因みに中島治康は6本である。Wikipediaには「打撃に難があり」などと書かれていますがどこを見ているのでしょうね。「1割8分8厘」の数字しか見ていないのでしょう。真実は当ブログにあります。村瀬は来季タイガースに移籍した後応召し、戦死することとなる。










            *名古屋は松尾幸造-村松幸雄の継投で天王山を制す。
















     *劇的な逆転サヨナラを飾った名古屋打線。















 

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