今節はタイガースが4勝0敗、名古屋が2勝0敗、金鯱が2勝2敗、阪急が2勝2敗、セネタースが1勝1敗、イーグルスが2勝3敗、ジャイアンツが2勝3敗、ライオンが1勝2敗、南海が0勝3敗であった。
週間MVP
投手部門
名古屋 松尾幸造 1
名古屋は今節ジャイアンツとの2試合だけであったが、いずれも肩痛を押して松尾幸造が先発し激投を見せた。
松尾に関しては現在ではほとんど語られることがなくなっているので二つの文献を紹介します。
「ベースボールマガジン」(昭和33年12月号)に千葉茂の「栄光は巨人と共に」連載第7回が掲載されており、この中で「首位打者を争う」の項で昭和14年秋季シリーズで鬼頭数雄と首位打者争いをした時(一シーズン制ですが春季、夏季、秋季に分けて順位と個人タイトルが表彰されていました)、11月16日のシーズン最終戦で松尾と対戦して5打数無安打に抑えられてタイトルを逸したことを紹介しています。「名古屋の先発は松尾。ぼくの一番苦手のピッチャーである。」更に「松尾と名古屋」の項では「黄金時代を誇った巨人がさんざん苦しめられたシーズンがあった。15年の春である。」と、正に現在当ブログが解読している状況を語っています。「特にぼくは左腕の松尾がきらいで、あの荒れ気味の球がどうも打ちにくくてならなかった。」
「ベースボールマガジン 秋季号」(昭和47年11月1日発行)(「ベースボールマガジン」は72年~74年は季刊化されています)に鈴木龍二、小西得郎、大和球士、水原茂、松木謙治郎、関三穂という極めて興味深いメンバーによる「語られざりしプロ野球秘話」と題する座談会が掲載されています。
松木 「中尾に似ているんですよ、(笑)松尾は。」
水原 「いいときには打てなかったんだ。」
タイガース 木下勇 1
松尾とは対照的に右のアンダーハンドの木下勇は15日の金鯱戦では3回途中からリリーフに出て7イニングを4安打1四球2三振無失点。18日のライオン戦では7回からリリーフに出て3イニングを1安打無四球1三振無失点と完璧な投球で2勝をあげる。
打撃部門
タイガース 皆川定之 1
今節16打数6安打7得点5打点3四球、二塁打3本の猛打を見せてタイガース4連勝に貢献する。
阪急 森田定雄 1
今節15打数7安打。1打点ではあったがこれは16日のジャイアンツ戦で延長10回表に放った決勝タイムリーによるものである。
名古屋 大沢清 1
12日のジャイアンツ戦で10球連続ファウルで粘ってスタルヒンから決勝タイムリーを放つ。今節のハイライトであった。
殊勲賞
名古屋 桝嘉一 1
18日のジャイアンツ戦でサヨナラヒットを放つ。
タイガース 宮崎剛 1
15日の金鯱戦で4打数2安打4得点を記録する。
金鯱 長島進 2
16日の南海戦で決勝タイムリーを放つ。
敢闘賞
名古屋 村瀬一三 1
18日のジャイアンツ戦で1点ビハインドの9回裏に同点三塁打を放ち、桝嘉一のサヨナラタイムリーでサヨナラのホームを踏む。
タイガース カイザー田中義雄 2
今節18打数7安打3得点2打点を記録する。
技能賞
イーグルス 岡田福吉 1
12日の金鯱戦で一試合3盗塁を記録する。
ライオン 玉腰年男 1
12日の南海戦で一試合2犠飛を記録する。
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