5月16日 (木) 西宮
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 3 0 0 0 0 4 8 金鯱 9勝17敗1分 0.346 内藤幸三 古谷倉之助 中山正嘉
0 0 3 1 0 0 0 0 0 4 南海 8勝19敗1分 0.296 政野岩夫 天川清三郎
勝利投手 中山正嘉 3勝8敗
敗戦投手 天川清三郎 0勝2敗
二塁打 (金)室脇2、長島
三塁打 (南)前田、清水
本塁打 (南)国久 2号
勝利打点 長島進 2
長島進決勝二塁打
南海は変則ダブルの第一試合に政野岩夫を先発に起用、金鯱は内藤幸三で応戦する。
金鯱は初回、二死後森田実の右飛をライト岩出清が落球、森田は三塁に走り「9-4-5」と転送されるがサード藤戸逸郎がこれを後逸する間に森田が一気にホームに還って1点を先制する。
南海は3回、一死後前田貞行が右中間に三塁打、トップに返り岩出が左前に同点タイムリーを放って1-1、藤戸の投ゴロで岩出は二進、国久松一がレフトスタンドに勝越しの第2号ツーランホームランを叩き込んで3-1とする。更に清水秀雄は四球、吉川義次が左前打、山尾年加寿は四球を選んで二死満塁、金鯱ベンチはここで先発の内藤をあきらめて古谷倉之助をリリーフに送る。平野正太郎に代わる代打深尾文彦が遊ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。
金鯱は4回、先頭の室脇正信がピッチャー強襲ヒット、竹林実の右前打で無死一三塁、山本次郎は浅い右飛、古谷は一邪飛に倒れるがトップに返り佐々木が四球を選んで二死満塁、濃人渉が右翼線に2点タイムリーを放ち、ライト岩出からのバックホームが悪送球となる間に一走佐々木も快足を飛ばしてホームに還って4-3と逆転に成功する。
南海は4回裏、先頭の政野岩夫が右前打で出塁、前田は三振、トップに返り岩出の遊ゴロでランナーが入れ替わり、藤戸が中前打、国久が右前にタイムリーを放って4-4の同点とする。
金鯱は5回、先頭の室脇が左中間に二塁打、南海ベンチはここで先発の政野から天川清三郎にスイッチ、天川は竹林を歩かせるが二走室脇を牽制で刺し、山本次郎を三振、古谷を遊ゴロに打ち取る。
金鯱も5回から三番手に中山正嘉を投入、中山(昭和10年松山商業)、天川(昭和13年平安中学)という甲子園優勝投手同士の投げ合いで8回まで両軍無得点。
金鯱は9回、先頭の濃人の遊ゴロをショート前田がエラー、森田が四球を選んで無死一二塁、長島進が左中間に殊勲の決勝2点タイムリー二塁打を放って6-4、中山は三ゴロに倒れるが室脇が左中間に二塁打を放って7-4、竹林の遊ゴロを前田が一塁に悪送球して室脇は二塁に自重して二死一二塁、ダブルスチールを決めて二死二三塁、山本の左前タイムリーで8-4と突き放して試合を決める。
中山正嘉は9回の南海の反撃を三者凡退で切り抜け5イニングを2安打1四球2三振無失点に抑えて3勝目をあげる。
決勝二塁打を放った長島進は4月21日のライオン4回戦でもサヨナラ打を放っており本日は四番に座って殊勲打を放ち2個目の勝利打点を記録した。長島は今季限りで一旦プロ野球を去ることとなる。恐らく応召でしょう。生き延びて戦後は国民リーグの大塚アスレチックス、ノンプロの強豪豊岡物産を経て昭和25年、26年には毎日オリオンズ、26年シーズン途中で巨人に移籍して昭和27年も巨人に在籍することとなる。資料によって出身校が関東中学や日本大学になっていたり関東中-日本大学-簡易保険局となっていたりするが、日大に在籍したのは戦前のプロ野球時代に兵役免除のために在籍していたものと推測する。戦前、戦後にプロ野球に在籍した選手のプロフィールは要注意で、現在の常識を当てはめるととんでもない間違いとなることが多い。
冗談ではなく、とんでもない間違いになります。要注意です。
返信削除千葉県最初のチョーさん(笑)長島進は翼軍と金鯱軍が合併した際に退団していると私は推定しています。
当時の野球雑誌の各球団の一覧に応召した選手が載っているのですが、それに長島捕手の名はありませんでした。苅田久徳の著書にも合併で退団した選手がいると書いてありましたので・・・。もちろん兵役も無きにしも非ずですが。
戦後の資料では日大出となっていますね。
これは名古屋軍養成出の西沢道夫と同じケースで、やはり兵役免除のために在籍していたのが、そのまま日大出になったのだと思います。
今のところ、戦前の資料で長島捕手が関東中→簡易保険局という経歴は発見していませんが、島秀之助の著書で簡易保険局にいたと書いてありますので、これは確かでしょう。
応召は推測で書かせていただいたもので確証はありません。
削除関東中学は現在四街道市にある千葉敬愛高校の前身ですが千葉敬愛の野球部は強くありません。関東中学野球部の伝統は分家の横芝敬愛高校に引き継がれたようです。山武郡の横芝敬愛は全盛期の千葉県でAシードになったこともある強豪です。千葉ではベスト4が最高で甲子園には行っていません。近年の千葉県では東葛地区に新興強豪校が集まり、県央では旧・木更津中央の木更津総合は頑張っていますが東葛地区の勢いは止まりそうにありません。千葉県高校野球の歴史は千葉県の人口動向にリンクして発展しています。