2013年7月6日土曜日

15年 阪急vs翼 13回戦


11月10日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 阪急 57勝35敗5分 0.620 日高得之 石田光彦
0 0 4 0 0 0 2 0 X 6 翼    48勝36敗10分 0.571 野口二郎

勝利投手 野口二郎 30勝11敗
敗戦投手 日高得之    0勝1敗

二塁打 (急)上田

勝利打点 なし


野口二郎、2年連続30勝

 阪急は日高得之が先発。日高は昭和11年に主に外野手として出場して応召、戦地から戻っての初出場となる。昭和11年4月29日、阪急球団史上初の公式試合となった第一回日本職業野球リーグ戦におけるセネタースvs阪急戦で九番レフトでスタメンに起用された日高得之は1打数無安打の記録を残しています。この日の復帰戦について翌日の読売新聞には「帰還後公式試合に初登場の日高」と書かれています。


 阪急は2回、先頭の上田藤夫が左中間に二塁打、日比野武の中前打で無死一三塁、新富卯三郎の左犠飛で1点を先制する。

 翼は3回、一死後織辺由三が左前打で出塁、西岡義晴が左前打で続いて一死一二塁、トップに返り苅田久徳が死球を受けて一死満塁、阪急ベンチはここで先発の日高をあきらめて石田光彦にスイッチ、しかし横沢七郎が押出し四球を選んで1-1の同点、石田がワイルドピッチを犯して2-1と逆転、野口二郎は一飛に倒れて二死二三塁、小林茂太が中前に2点タイムリーを放って4-1とする。

 翼は7回、先頭の佐藤武夫が四球で出塁、石井豊の投ゴロを石田が二塁に悪送して無死一二塁、織辺の投ゴロで二走佐藤は三封、西岡が右前にタイムリーを放って5-1、苅田の二ゴロで西岡が二封されて二死一三塁、ここで三走織辺がホームスチールを決めて6-1とする。記録では一走苅田は動いていないので織辺の単独本盗に見えますが、苅田のことなのでトリックプレーの隙に織辺がホームを突いて苅田は一塁に戻ったということかもしれません。

 野口二郎は6安打無四球4三振の完投で30勝目をあげる。野口はルーキーシーズンの昨年に続いて2年連続30勝を記録した。


 敗戦投手となった日高得之はこの日がプロ野球生活最後の試合となった。阪急投手陣は浅野勝三郎は11月3日以来登板は無く、石田光彦も11月6日以来の登板で実際2回途中からロングリリーフしている。本日の先発は浅野も石田も可能であったと考えられるところ、何故日高得之の先発となったのか。戦地から戻ってきた日高の引退試合という位置付けであったかもしれない。









*野口二郎は6安打無四球完投で2年連続の30勝目を記録した。一方、日高得之はこの試合がプロ野球で野最後の試合となった。













*昭和11年5月25日発行の「聯盟公報」第二号に記載されている阪急球団史上初の公式戦。日高得之は九番レフトでスタメンに起用された。













 

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