2013年7月28日日曜日

15年 金鯱vs名古屋 13回戦


11月29日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 金鯱     34勝60敗7分 0.362 中山正嘉 内藤幸三 
1 5 0 0 1 0 0 0 X  7 名古屋 55勝41敗5分 0.573 村松幸雄

勝利投手 村松幸雄 21勝13敗
敗戦投手 中山正嘉 18勝28敗

二塁打 (名)三浦
本塁打 (名)村瀬 3号

勝利打点 桝嘉一 5


村瀬一三、満塁ホームラン

 名古屋は初回、先頭の村瀬一三が四球で出塁、芳賀直一が送って一死二塁、桝嘉一が中前に先制タイムリーを放って1-0とする。

 名古屋は2回、先頭の三浦敏一が左翼線に二塁打、中村三郎の三前バントが内野安打となって無死一三塁、本田親喜が四球を選んで無死満塁、続く村松幸雄の打席は「1-4’A」と記録されている。ピッチャー中山正嘉からの送球を一塁ベースカバーに入ったセカンド五味芳夫が落球したものであるが、五味が一塁ベースカバーに入ったということはスクイズを警戒してファーストの上野義秋は突っ込んできたのでしょう。スクイズであれば村松に犠打が記録される可能性が高いので、前進守備の裏を突いてヒッティングに出たものと推測できる。村松には打点が記録されています。ということで2-0としてなお無死満塁、トップに返り村瀬がレフトスタンドに満塁ホームランを叩き込んで6-0とする。

 金鯱は3回から先発の中山正嘉に代えて内藤幸三をマウンドに送り込む。

 名古屋は5回、一死後吉田猪佐喜が左前打から二盗に成功、三浦が右前にタイムリーを放って7-0とする。

 村松幸雄は3安打2四球2三振、2試合連続完封で21勝目をあげる。


 進藤昭著「戦場に散ったエース 村松幸雄の生涯」には村松と小西得郎監督の「絆」についての記述が見られる。この年、綿布加工製品を主に取り扱っていた村松の実家「村友」は戦時統制により廃業することとなり、村松の一家は東京に出てくる。村松の妹の静枝さんは小西の自宅に下宿して鐘紡銀座店に勤めることとなった。食費を渡そうとすると、「そんなものはいらないよ。お金をもらうくらいなら預からないよ。」。


 村松幸雄の戦死公報が届いた日に小西が村松の実家にいたのは、こうした経緯から小西一家が村松の実家に疎開していたからであった。


 満塁ホームランを放った村瀬一三と2試合連続完封を飾った村松幸雄は戦死することとなる。


 筆者の実家は戦前まで大阪で金物商を営んでいたようですが倒産したと聞いています。詳しい経緯は知りませんが、戦時統制により金物を扱えなくなったからでしょう。







        *村松幸雄は好調金鯱打線を3安打に抑えて2試合連続完封を記録する。












     *村瀬一三が満塁ホームランを放った名古屋打線。













          *村松幸雄と固い「絆」で結ばれていた小西得郎のサイン色紙。








 

0 件のコメント:

コメントを投稿