１３年春 イーグルスvsタイガース １回戦

5月1日 （日） 甲子園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 0 1 0 2 　 4  イーグルス １勝１敗 0.500 中河美芳 亀田忠
0 4 0 0 0 1 1 X 　 6  タイガース  ２勝０敗 1.000 西村幸生


勝利投手 西村幸生 １勝０敗
敗戦投手 中河美芳 １勝１敗


二塁打　（イ）亀田　（タ）藤村


日没コールド


　本日の第四試合は17時2分、池田豊主審がプレイボールをコール。第二試合で主審デビューした島秀之助と杉村正一郎が塁審を務める。

　タイガースは初回、先頭の松木謙治郎が一失に生き、藤村富美男が中越え二塁打を放って無死二三塁のチャンスを作るが山口政信、景浦将が連続三振、伊賀上良平も三ゴロに倒れて無得点。タイガースは2回、藤井勇四球、門前真佐人の三ゴロをサード漆原進がエラー、西村幸生三前内野安打で無死満塁、岡田宗芳が粘って押出し四球を選び1点を先制、松木の二ゴロは4-6-3と渡るがショート山田潔からの送球をファースト大貫賢がエラー、三走門前に続いて二走西村も還って3-0、なお一死二塁で藤村の遊ゴロを今度はショート山田が悪送球する間に松木が還って4-0。中河美芳は二つの四球があったとはいえ三つのエラーに泣かされ内野安打1本で4点を失う。当然自責点はゼロ。

　イーグルスは4回、この回先頭の中根之四球、バッキー・ハリスの一塁線バントが内野安打となり中河四球で無死満塁、杉田屋守二ゴロの間に1点を返すが木下政文三振、山田潔右飛で1点止まり。サム高橋吉雄と小島利男の四番、五番が兵役で抜けた関係で中河が五番に上がり下位打線が弱くなった弊害が如実に現れたシーンである。

　イーグルスは6回、この回先頭の中河が中前打で出塁、杉田屋も左前打で続き無死一二塁、続く木下の当りは二ゴロ、この次のプレーの判断に悩む。木下の二ゴロで二塁ランナー中河に「4.2.5-2」でアウトと記録されている。

　推測1．ヒットエンドランで木下が一二塁間（又は二遊間）にヒット性のゴロを放ちセカンド藤村が好捕して一塁に擬投、中河が三塁を回ったのを見て藤村がキャッチャー門前に送球、中河が三本間に挟まれてタッチアウト。
  推測2．バントエンドランで木下がセカンド前にプッシュ気味のバント、前進して好捕した藤村が一塁に擬投、以下推測1と同じ。

　いずれにしろ木下には内野安打は記録されておらず、エンドランがかかっていたことは間違いないであろう。このプレーの間に一走杉田屋は三塁に進み一死一三塁、山田に代わる代打太田健一四球で満塁、ここでイーグルスベンチは漆原に代えてハワイから来た新人（と言ってもこの時25歳）亀田忠を代打に起用するが三振で二死満塁、トップに返り寺内の二ゴロを藤村がホームに投げてフィルダーズチョイスとなり2-4。藤村はアウトカウントを間違えたのであろうか、あるいは寺内がセカンド前にプッシュバントを試み一塁は間に合わないと見た藤村が前進捕球の勢いのままホームに投げたか。

　タイガースは6回裏、この回からマウンドに上がった亀田に対して先頭の門前が四球を選び二盗、岡田の二ゴロで三塁に進み松木の中前タイムリーで5-2。更に7回、藤村が四球から盗塁、一死後景浦四球、二死後藤井が中前にタイムリーを放って6-2とする。亀田のモーションはかなり大きかったことがうかがえる。

　イーグルスは夕闇迫る8回、一死後木下が一塁内野安打で出塁、辻信夫右前打、亀田が右中間にプロ入り初安打となる二塁打を放って3-6、一死二三塁から寺内が中前タイムリーで続き4-6、しかしホームを突いた亀田はセンター山口のバックホームに刺されて二死一塁、古川正男三振でスリーアウト。既に試合続行不可能となり日没コールドでタイガースが開幕二連勝を飾る。

　三振か四球かのピッチングで人気を博すこととなる亀田忠のデビュー打席は三振であった。開幕戦をスキップしてイーグルス戦に備えた西村幸生は8回を10安打3四球7三振の完投で今季初勝利をあげる。