5月15日 (日) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 2 0 0 0 0 1 0 4 阪急 5勝3敗 0.625 小田野柏
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 タイガース 7勝1敗 0.875 西村幸生 御園生崇男
勝利投手 小田野柏 1勝1敗
敗戦投手 西村幸生 2勝1敗
二塁打 (阪)堀尾
本塁打 (阪)宮武 1号
小田野柏、猛虎を封じる
タイガースは大エースの風格がでてきた西村幸生が先発。一方、阪急はルーキー小田野柏が先発。小田野は今季三度目の登板、初登板のジャイアンツ戦では4回までノーヒットピッチングを続け勝利に貢献し、二度目のタイガース戦も6安打に抑えて1対2の惜敗であった。阪急ベンチがダブルヘッダー第一試合のセネタース戦に石田光彦を回して小田野をタイガースにぶつけてきたところから見ても、 既にローテーションの柱となっている。
阪急は初回、先頭の西村正夫が四球で出塁しパスボールで二進、上田藤夫は二ゴロで西村を三塁に進め、二死後四番宮武三郎が中前にタイムリーを放つ。トップが出塁して二番が進塁打で送り四番が決めるという理想的な攻撃で1点を先制する。
2回は宇野錦次四球、小田野中前打、西村四球で満塁とするが上田三振でチャンスを潰すが阪急は3回、この回先頭の黒田健吾の三ゴロを名手伊賀上良平が一塁に悪送球して黒田は二進、宮武の二ゴロで黒田は三進、ジミー堀尾文人が左中間に二塁打を放って2-0、フランク山田伝の中飛で堀尾はタッチアップから三塁に進み、宇野の右前タイムリーで3-0とする。
タイガースは初回、一死後藤村富美男の右前打と山口政信の四球で一二塁のチャンスを作るが景浦将左飛、伊賀上三ゴロでチェンジ。2回も二死から西村が四球で出塁するが無得点。3回は先頭の松木謙治郎中前打、藤村四球で無死一二塁のチャンスを作るが山口三ゴロ、景浦三飛、伊賀上遊失で二死満塁とするが藤井勇が三振と小田野をあと一歩まで追い詰めるが攻めきれず。タイガースは4回から西村に代えて御園生崇男を投入、逆転に向けて態勢を整える。この時点ではいずれ小田野を捕まえてみせるという自信があったのだろう。
代わった御園生は7回まで堀尾に四球を与えたのみでノーヒットピッチング。タイガースは4回も御園生の右前打、松木が四球とランナーは出すが得点に結びつかず4回で8残塁を喫す。5回は初の三者凡退、6回は先頭の藤井が四球で歩くが続く御園生の痛烈な流し打ちをファースト宮武がジャンプ一番好捕してそのままベースを踏んでゲッツー、7回も一死後松木が宮武のエラーに生きるが盗塁失敗。
阪急は8回、この回先頭の宮武が左翼スタンドにホームランを放ち待望の追加点、4-0とリードを広げる。
タイガースは8回も無死から山口、景浦が連続四球を選ぶが伊賀上中飛、本堂保次三飛、御園生は右飛に倒れる。最終回も一死後岡田宗芳が左翼線にヒットを放つが奈良友夫の遊ゴロが6-4-3と渡ってゲッツー、試合終了のサイレンが鳴り響く。
小田野柏はタイガースが誇る西村幸生、御園生崇男を向こうに回して4安打7四球2三振、堂々の完封でプロ入り初勝利を飾る。圧巻は3回二死満塁で藤井を三振に打ち取った場面と8回無死一二塁で三連続フライアウトに打ち取った場面。終盤になっても球威は落ちていなかったのであろう。冒頭にも記したように小田野は一戦毎にたくましくなってきている。本日の完封は偶然ではなく必然であったのである。
阪急の1回、3回の攻撃では上田と宮武が走者二塁の場面で走者を三塁に進める二ゴロを打って得点に結び付けています。このような進塁打は阪急の住友平、南海の桜井輝秀が得意としていました。特に桜井は、オールスターの晴れ舞台においても走者二塁の場面で内角球を無理やり(と見えました)セカンドゴロにしてランナーを進めました。記録を調べてみると桜井がオールスターに出場したのは1973年、74年の二度なので、私がテレビで目撃した試合はいずれかのものであったはずです。
阪急は戦いぶりが変わってきました。昨年は期待を裏切りましたが、今季は期待してよいのではないでしょうか。
*小田野柏のプロ入り初勝利を伝えるスコアブック
*3回、二死満塁で藤井勇を三振に打ち取った場面
*8回、無死一二塁で三連続フライアウトに打ち取った場面
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