今シーズンは各チーム5回総当たり合計140試合となります。約3分の1の44試合が終了した時点で月間MVPの表彰をさせていただきます。
投手部門
候補となるのは5勝0敗のスタルヒン、4勝0敗の御園生崇男、3勝1敗の西村幸生となります。
スタルヒンは46回3分の2を投げて防御率 1.93、WHIP 1.07、奪三振率 5.80。
西村幸生は34回3分の2を投げて防御率 2.08、WHIP 1.24、奪三振率 5.56。
御園生崇男は33回3分の1を投げて防御率 1.44、WHIP 1.09、奪三振率 2.03。
単純に数字だけを眺めればスタルヒンになりますが、スタルヒンはタイガース戦の登板を避けていますので当ブログではこの数字を評価しません。藤本定義監督は澤村とは心中しましたが、まだスタルヒンを信頼しきってはいないようです。スタルヒンの本格化までは現在八合目というところでしょうか。
御園生崇男の歴史的評価は過少評価であると考えます。制球力があり安定味抜群の投球、打者としても走者としても優秀です。奪三振率が低いのはピッチングスタイルの違いであり評価を下げる必要はありません。西村幸生はランナーを出しながら抑えていくピッチングスタイルなのでどうしてもWHIPが見劣りします。
*昭和23年頃のブロマイドです。
打撃部門
ジャイアンツ 伊藤健太郎 1
タイガースから打撃ベストテンに顔を出しているのは第10位の伊賀上良平 2割9分3厘だけであり、タイガースは投手力と打戦のつながりで勝ち進んでいます。ジャイアンツからは2位中島治康 3割6分2厘、3位伊藤健太郎 3割5分9厘、6位白石敏男 3割1分1厘、8位水原茂 2割9分7厘と四人が顔を揃えますがタイガースには勝てそうな雰囲気がありません。
スタッツを調べるまでは5試合連続2打点を継続中の中島治康で決まりであろうと思っていましたが、中島と伊藤の数字を出してみたら考えが変わりました。
中島治康 11試合 47打数17安打 5得点 13打点 打率 3割6分2厘、OPS 0.801
伊藤健太郎 11試合 39打数14安打 4得点 10打点 打率 3割5分9厘、OPS 0.941
OPSは出塁率と長打率の和で算出されます。中島の長打率は4割2分6厘、伊藤の長打率は4割6分2厘。ジャイアンツは11試合中、ホームランはまず出ない甲子園で4試合、鳴海で3試合を行っていますので長打率は二人とも特別高い訳ではありません。中島は11試合で1四球、伊藤は9四球。これにより中島の出塁率3割7分5厘に対して伊藤の出塁率は4割7分9厘となりOPSで大差がつく原因となりました。
中島治康の悪球打ちは伝説となっていますが、数字で表すとこういう結果となります。中島は松本商業から早稲田大学に進みますが神宮での実績はほとんどありません。同じく松本商業から早稲田大学に進んだ矢島粂安の方が大学、全日本時代ははるかに評価は上です。なんでも打っていく中島のスタイルは、待球主義の当時の野球界では異端であった訳です。
*昭和9年全日本時の矢島粂安(上)と中島治康のサイン(下)
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