2010年12月23日木曜日

13年春 イーグルスvs金鯱 1回戦

5月14日 (土) 鳴海


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
3 3 0 0 0 0 0 0 0 6 イーグルス 3勝4敗 0.429 中河美芳 亀田忠
0 0 0 0 0 3 0 0 2 5 金鯱     1勝5敗 0.167 古谷倉之助


勝利投手 亀田忠    1勝1敗
敗戦投手 古谷倉之助 0勝3敗


三塁打 (金)小林茂


イーグルス、辛くも逃げ切る


 イーグルスはここまで6試合、二遊間はセカンド木下政文、ショート山田潔の新人コンビをスタメンで使ってきたが、本日の第二試合は七番ショート野村実、八番セカンド山田潔に変えてきた。木下はここまで22打数4安打で第一試合では二塁打を打っている。一方、山田は17打数1安打。にもかかわらずセカンドに回されたということは、イーグルス首脳陣は山田潔の守備力を高く評価しているということになる。事実、山田潔は1956年まで現役を続け守備の名手として名を馳せることとなるわけですから、イーグルス森茂雄監督、河野安通志の慧眼は大したものです。木下も戦争の時代を生き抜き392試合に出場して通算13本塁打を放つことになりますので、1334試合で通算8本塁打の山田より打力は上だったのでしょう。

 イーグルスは初回、寺内一隆の二ゴロをセカンド江口行男がエラー、大貫賢捕邪飛、中根之の投ゴロで寺内は二進、バッキー・ハリス四球で一二塁、中河美芳がセンター左に先制のタイムリーを放ち1点を先制、太田健一四球で二死満塁、ここで今季初スタメンの野村実がセンター右に2点タイムリーを放ち3-0とする。

 イーグルスは2回、この回先頭の漆原進左前打、トップに返り寺内の一塁内野安打で無死一三塁、大貫が左犠飛を打ち上げて4-0、中根が右前打で続き一死一二塁、ハリスの中前タイムリーで5-0、センターからの返球を中継したセカンド江口はハリスのオーバーランを見て一塁に送球するがこれが悪送球となり一死二三塁、続く中河の初球、キャッチャー松元三彦が二塁に牽制するがこれも悪送球となり中根が還って6-0とリードを広げる。

 金鯱は初回の江口のヒット以降無安打、3~5回は三者凡退に抑えられていたが6回、一死後五味芳夫中前打、江口左前打、瀬井清左前タイムリー、小林茂太右翼線三塁打と怒涛の四連打で3点を返して3-6。古谷倉之助は3回以降立ち直りイーグルス打線に追加点を許さず試合は最終回に進む。

 金鯱は9回裏、この回先頭の武笠茂男が四球を選んで出塁、岡野八郎に代わる代打中山正嘉が左前打を放ち無死一二塁、ここでイーグルスベンチは中河をあきらめて第一試合で完投した亀田忠を投入する。佐々木常助に代わる代打鈴木鶴雄が右前にタイムリーを放ち4-6、五味中飛、江口も中飛で二死一二塁、瀬井が左前にこの日二本目のタイムリーを放ち5-6の一点差、しかし四番小林茂が一塁ゴロに倒れてゲームセット(鳴海球場でもサイレンが使用されていたかは定かではありませんのでサイレンが鳴るとは断定できません。)。

 試合経過で分かる通り現行ルールでは中河美芳に勝利投手が記録されて亀田忠にはセーブが記録されるところですが公式記録では亀田忠に勝利投手が記録されています。当時の勝利投手・敗戦投手は記録者の主観に委ねられている部分があり、現行ルールと違っていても多くは納得のいく裁定が下されていますが、この試合の勝ち投手は中河美芳ではないでしょうか。9回に中河が残した2走者が生還したことにより中河に自責点5点が記録されていることが亀田を勝利投手とした根拠となっていると考えられますが、亀田が無安打に抑えて中河の自責点が3点であったなら結果はどうなっていたのでしょうか。リリーフ亀田が2本のタイムリーを浴びたことにより中河の自責点が増え、亀田が無安打に抑えていれば中河の自責点が減るというシチュエーション、すなわち、亀田が好投すれば中河に有利になり、亀田が打たれると中河に不利になるケースだけに判定は難しいところでしょう。亀田が無安打に抑えきって勝利投手が記録されたならばまだ分かりますが、自責点は中河に行くと言っても2安打を打たれているわけですから説得力に欠けるのではないでしょうか。むしろ亀田がダブルヘッダーに連投してきたことを評価したのかもしれません。




*亀田忠に勝利投手が記録されている

0 件のコメント:

コメントを投稿