5月10日 (水) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 2 0 0 0 0 2 ジャイアンツ 14勝8敗 0.636 川上哲治
1 0 3 0 0 0 0 0 X 4 セネタース 10勝11敗 0.476 金子裕 野口二郎
勝利投手 野口二郎 5勝5敗
敗戦投手 川上哲治 3勝3敗
二塁打 (ジ)吉原 (セ)苅田
甲子園決勝以来の対決
ジャイアンツは川上哲治、セネタースは金子裕と両左腕軟投派が先発する。
セネタースは初回、先頭の苅田が左翼線に二塁打、続く横沢七郎が中前にタイムリーを放って1点を先制する。
セネタースは3回、一死後苅田の遊ゴロをショート白石敏男がエラー、横沢の右翼線ヒットで一死一三塁、尾茂田叶が一二塁間を抜いて2-0としてなお一三塁、野口二郎の三ゴロの間に横沢が還って3-0として二死二塁、佐藤武夫が中前にタイムリーを放て4-0とリードを広げる。
ジャイアンツは5回、アチラノ・リベラ(アデラーノ・リベラ)が右前打で出塁、井上康弘が四球を選んで無死一二塁、吉原正喜の三ゴロをサード横沢がエラーする間にリベラが還って1-4、永澤富士雄が中前にタイムリーを放って2-4としてなお無死一二塁する。セネタースベンチはここで先発の金子をあきらめてファーストの野口二郎をマウンドに送る。白石が送りバントを試みるが野口が読んでいたようで三塁に送球してフォースアウト、水原茂は左飛に倒れ、キャッチャー佐藤が捕逸を犯して二死二三塁とするが、千葉茂は三振に倒れてスリーアウトチェンジ。
ジャイアンツは6回、一死後川上が二遊間に内野安打を放つがリベラ、井上が凡飛に倒れ、7回は先頭の吉原が左翼線に二塁打を放つが永澤の左直に飛び出してダブルプレー。8回も2つの四球で一死一二塁とするが後続無く、9回も吉原の四球と白石の左前打で一死一二塁とするが水原の遊ゴロが「6-4-3」と渡って試合終了を告げるサイレンが高々と鳴り響く。
昨日完投勝利の野口二郎は5回を投げて3安打4四球とランナーを出しながら要所を締めて5勝目をあげる。
この試合で5回から投げ合った野口二郎と川上哲治は2年前の夏の甲子園決勝で中京商業と熊本工業のエースとして投げ合った。野口二郎は自伝でこの試合に触れている。「甲子園以来初めて見るマウンドの川上君であったが、腰のひねりで投げるというより、腕をこねて投げるような投げかたも、甲子園の時と変わらず、それほど速い球もない。チェンジアップ気味の球とカーブ主体で怖い、という感じはなかった。」
甲子園の決勝で投げ合った投手がプロで再対決するところはマー君と佑ちゃんのようですが、野口二郎は戦前では澤村栄治、スタルヒンと並ぶ大投手となり、川上哲治は弾丸ライナーで打撃の神様となりました。マー君は野口二郎に大分近付いてきましたが、佑ちゃんはどうなる?
*野口二郎と川上哲治は2年前の甲子園決勝以来の投げ合いとなった。
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