2011年9月22日木曜日

ラスト・スパート ③


 クレイトン・カーショウが期待通りやってくれました。しかも相手はティム・リンスカムです。7回3分の1を投げて6安打2四球6三振1失点1自責点で20勝目をあげて投手三冠に戻りました。MLB.comの画像では珍しくフォークも見ることができます。カーブの切れはこれまで見た中では一番でした。このピッチングを見せられてはフィリーズの帯に短し襷に長しトリオも片なしで、サイ・ヤング賞はほぼ決定と言ってよいのではないでしょうか。

 あまり騒がれてはいませんが、マット・ケンプに三冠王の可能性が出てきました。打率が伸びていなかったので三冠の声は全く聞こえていなかったのですが、本日の4打数2安打で首位打者ライアン・ブラウンの3割3分2厘に1分1厘差に迫る3割2分1厘に伸ばしてきました。打点はライアン・ハワードと並ぶ113点でトップですが、今の勢いであればこちらはタイトルを獲るのではないでしょうか。本塁打はアルバート・プホルスの36本、ダン・アグラの35本に次ぐ34本なのでこちらはトップに並びまで行ける可能性はあると思います。プホルスは3割をキープしなければならないので、ホームラン一本に絞っているダン・アグラが最大の難関となります。

 ダン・アグラはここ5試合で18打数3安打1本塁打7三振。恐らく全打席ホームランを狙っているのでしょう。本塁打一本に絞れる立場にあるダン・アグラがタイトルを獲る可能性は70%と見ます。

 アルバート・プホルスが又も5打数4安打とやってくれました。打率を3割4厘に上げて、36本塁打97打点と11年連続3割30本100打点に王手がかかってきました。1本目は外のカットボールを二遊間をグラウンダーで抜く中前打、2本目はキャッチャーは外に構えましたが少し中に入ってくるところを見逃さずショートの右を抜いて中前打、3本目は外に逃げるスライダーをボルチモア・チョップ、ワンバウンドでサードの頭を越えて左前に転がりました。アナウンサーは「ハイチョップ」と言っています。因みにボルチモア・チョップとはジョン・マグローやウィリー・キーラーが1900年代に開発した叩きつける打法のことですが、21世紀になっても活きています。4本目は完ぺきに捕えて三遊間を破りますが、打球の速さは人間業を超えています。本日の打球を見ても分かる通り、無理に打球を上げようとしていませんのでまずは打率3割をキープすることに主眼を置いたスウィングをしています。拠って、本塁打はダン・アグラが有利と判断している訳です。画像はMLB.comで見ることができます。

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