2011年9月17日土曜日

14年 セネタースvs金鯱 2回戦

5月9日 (火) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 2 3 0 0 0 0 0 1 6 セネタース 9勝11敗 0.450 野口二郎
1 1 0 0 0 0 3 0 0 5 金鯱       6勝15敗 0.286 中山正嘉 大宮清


勝利投手 野口二郎 4勝5敗
敗戦投手 大宮清     0勝3敗


二塁打 (セ)野口 (金)野村2
三塁打 (金)佐々木

セネタース打っ棄る


 金鯱は初回、佐々木常助の二ゴロをファースト家村相太郎が落球、岡野八郎の投ゴロは「1-4-3」と転送されるて二塁はフォースアウトとなるがセカンド苅田久徳からの一塁送球が高く逸れる間に打者走者の岡野は二塁に進む。ここで三番野村高義が右中間に二塁打を放って1点を先制、二死後古谷倉之助が左前打を放ち野村はホームを狙うがレフト織辺由三からのバックホームにタッチアウト。

 セネタースは2回、先頭の佐藤武夫が三塁に内野安打、パスボールで二進して野口二郎の四球で無死一二塁、キャッチャー野村からの二塁牽制に佐藤は戻れずそのまま三塁に向かう。「2-6-5」と転送されるが三塁はセーフ、一走野口も二塁を陥れて記録はダブルスチールとなって無死二三塁、織辺、家村は連続三振、柳鶴震が四球を選んで二死満塁、横沢七郎のピッチャー強襲ヒットとバックアップに入ったセカンド五味芳夫の一塁悪送球の間に佐藤に続いて野口も還って2-1と逆転に成功する。

 金鯱は2回裏、瀬井清が左翼線にヒット、武笠茂男四球、中山正嘉の右前打で無死満塁、五味の遊ゴロで三走瀬井は本封されて一死満塁、佐々木の投ゴロの間に三走武笠が還って2-2の同点とする。

 セネタースは3回、二番ライトに入っている浅岡三郎が四球を選んで出塁、キャッチャー野村が2個目のパスボールを犯して尾茂田叶四球で無死一二塁、ここで金鯱ベンチは先発の中山をあきらめて二番手に大宮清をマウンドに送る。佐藤四球で無死満塁、野口の右犠飛で3-2、織辺の一塁内野安打で一死満塁、家村に代わる代打森口次郎が押出し四球を選んで4-2、柳の三ゴロの間に佐藤が還って5-2とする。

 二番手大宮が4回~7回を無安打に抑えると金鯱は7回裏、先頭の五味が中前打で出塁、トップに返り佐々木が右中間に三塁打を放って4-6、山本次郎に代わる代打荒川正嘉の中犠飛で4-5、野村が左中間にこの日2本目となる二塁打、小林茂太の左前打で一死一三塁、古谷の遊ゴロをショート柳がエラーする間に野村が還って遂に5-5の同点に追い付く。

 セネタースは9回、先頭の浅岡が左翼線にヒット、尾茂田が送って一死二塁、佐藤の左翼への当りを5回からレフトに回っていた野村高義が好捕、二走浅岡がタッチアップから三塁に走ると野村が三塁に好返球、しかしこれをサード荒川が後逸し、バックアップのピッチャー大宮のカバーが浅く大宮も追い付けず浅岡がそのままホームに駆け込んで6-5とする。

 野口二郎は最終回、四球と死球で一死一二塁のピンチを迎えるが古谷を二ゴロ、瀬井を二飛に打ち取り、結局10安打2四球1死球3三振の完投で4勝目をあげる。


 鈍足で有名な佐藤武夫は今季89試合に出場して300回以上打席に立ち、100回程塁に出るが、盗塁はこの日の2回のどさくさに紛れた1個だけ、佐藤は八年間の現役生活で493試合に出場して1500打席以上を記録することになるが通算盗塁数は僅かに3個です。通算1個目の盗塁はイーグルス在籍時、昭和12年4月8日の阪急1回戦6回表に二盗を記録していますが、この時は1対7と6点負けて一死一三塁の場面ですからキャッチャーも無警戒です。通算3個目は昭和16年に記録しますので覚えておきましょう。


 翌日の読売新聞によるとこの日は大関「前田山」関が観戦して鈴木惣太郎と一緒に試合を見ていたとのこと。前田山観戦の記事はこの日で2回目ですがしょっちゅう観にきていたのでしょう。前田山は横綱に昇進した戦後、怪我で休場中にシールズ戦を見物していたことがバレて引退を余儀なくされることとなります。昭和14年当時は大相撲は一月場所と五月場所の年二場所制ですが、この日は場所中ではなかったのでしょうか?本日の試合はセネタースが金鯱をうっちゃりましたが、Wikipediaによると前田山はうっちゃり気味に体をもたれかけながらの吊りなどを得意としていたようです。

 この日の記事によると「鯱の里」関と「錦谷」関も一緒に観戦していたとのこと。鯱の里は四股名を出身地の名古屋に因んで付けたので金鯱の応援に来ていたのでしょう。Wikipediaによると鯱の里が太閤山から改名した時期が不明となっていますが、昭和14年5月には鯱の里を名乗っていたようです。錦谷はWikipediaでは改名後の「有明五郎」で出てきます。





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