今年の各地区の順位争いは早くから大差がついてしまい、ワイルドカードもボストンとアトランタでほぼ決まりと言うことで全く盛り上がりません。対照的に個人タイトル争いは例年以上に面白くなっております。決まっているのはアメリカン・リーグのサイ・ヤング賞のジャスティン・バーランダーだけで、バーランダーは本日8回を無失点で24勝目をあげ、MVPとのW受賞の可能性があります。中四日でいけばあと2回投球チャンスがありますので1990年のボブ・ウェルチ以来の25勝越えが現実味を帯びてきました。但し投手はサイ・ヤング賞、打者はMVPという棲み分けが確立してきている昨今ではW受賞が至難の業であることも事実です。
アメリカン・リーグのMVP争いはエイドリアン・ゴンザレスが一歩リードしていますが9月18日現在(以下、数字は9月18日現在)OPSは0.949でバウティスタの1.071と比較して大きく見劣りします。ならばバウティスタがMVP候補かと言うとそう簡単でもありません。バウティスタは本塁打こそ42本でトップに立っていますが打率は3割4厘、打点は100でとてもMVPを論じる域に達しておらず、四球123個によってOPSが嵩上げされているだけで(OPS=出塁率+長打率)、バウティスタが選ばれるようでは四球王が必ずMVPになってしまいます。成績のバランスがいいのはミゲール・カブレラで、カブレラのOPSは0.997でゴンザレスを凌いでいます。首位打者争いでゴンザレスを抜いて首位に立つ可能性も十分です。
昨年の最終予想でもジョシュ・ハミルトンでは無くミゲール・カブレラにして大はずれとなりましたが、懐の深いバッティングは現在世界No1です。但し得票が集まりにくいのも事実です。フロリダ・マーリンズ時代の三塁守備で見せていた手抜きプレーのイメージが強いのでしょう。タイガース移籍後は一塁に回りましたので手抜きプレーは影を潜めているかもしれませんが守備は巧くありません。昨年アルマンド・ガララーガが世紀の誤審で完全試合を逃したプレーも、カブレラが追わずにセカンドに任せておけばなんでもないセカンドゴロで終わっていました。この件では審判のミスばかりが喧伝されていますがお門違いも程々にしろと言いたい。あれは明らかにカブレラの判断ミスでした。
40本塁打に乗せてきたグランダーソンは打点でもトップに立っていますが打撃30傑にも入っていないのでどうでしょうか。仮に本塁打でトップに立ってもこの手の二冠王は得票が集まりにくい傾向にあります。アメリカン・リーグの打撃陣はどれを見ても帯に短し襷に長しで、バーランダーのMVPは十分可能性があると考えています。投手のMVPは92年のデニス・エカーズリー以来のこと、先発投手としては1971年のバイダ・ブルー以来のこととなります。
ナショナル・リーグのサイ・ヤング賞はクレイトン・カーショウで行けるでしょう。フィリーズ・トリオはカーショウの前では帯に短し襷に長しです。
ナショナル・リーグのMVP争いが一番面白い。ライアン・ブラウンが予定通りホセ・レイエスを抜いて首位打者に立ちました。本日は4打数3安打、昨日は5打数3安打4打点1本塁打、一昨日は4打数2安打2打点2本塁打です。現在3割3分6厘、103打点31本塁打31盗塁です。一方のマット・ケンプは3割2分(三位)、34本塁打(二位タイ)、113打点(一位タイ)、40盗塁(二位)です。マット・ケンプは全試合出場と言うアドバンテージを持っています。しかしながらOPSはブラウンの0.997に対してケンプは0.963。ブラウンの90三振に対してケンプは149三振と相変わらず三振が多い。全試合出場と40盗塁でマット・ケンプが55対45で有利と見ますがいかがでしょうか。
もう一つ、アルバート・プホルスは本日36号ツーランを放ち、533打数160安打、3割ちょうど、36本塁打、95打点まで来ました。こちらも11年連続3割30本塁打100打点に向けて、ラストスパートに入ってきました。
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