2011年9月11日日曜日

14年 名古屋vsジャイアンツ 2回戦

5月6日 (土) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 2 0 0 0 3 0 0 0 5 名古屋      8勝11敗2分 0.421 中村三郎
0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 ジャイアンツ 13勝6敗         0.684 川上哲治 中尾輝三


勝利投手 中村三郎 1勝0敗
敗戦投手 川上哲治 3勝2敗


二塁打 (名)村瀬、大沢 (ジ)白石

中村三郎プロ入り初勝利、牧常一がラッキーボーイ


 名古屋はここ四試合に繁里栄が先発してきたが、本日はいよいよ中村三郎を先発投手として起用する。4月22日のイーグルス2回戦でプロ入り初登板した時にも書いたように、中村は諏訪蚕糸時代は名投手として鳴らしていました。

 桝嘉一を怪我で欠く名古屋は八番レフトに牧常一を起用、牧はプロ入り初スタメンとなる。

 名古屋は2回、五番ピッチャー中村三郎は三ゴロに倒れるが服部受弘、三浦敏一が連続四球を選んで一死一二塁、ここで初スタメンの牧常一が右前にプロ入り初安打を放ち、二走服部を迎え入れてプロ入り初打点を記録する。なお一死一三塁で天野竹一が右犠飛を打ち上げて2-0とする。

 中村三郎は初回、水原茂に四球を与えただけで3回までノーヒットに抑える。4回一死後千葉茂に三塁内野安打、二死後アチラノ・リベラ(アデラーノ・リベラ)に来日初ヒットを中前に打たれ、永澤富士雄四球で二死満塁のピンチを迎えるが井上康弘を右飛に打ち取る。5回にも先頭の吉原正喜が左翼線ヒット、川上哲治は中飛に打ち取るが白石敏男がセンター右奥に二塁打を放って一死二三塁、水原三ゴロ、千葉四球で二死満塁となって中島治康を打席に迎えるが中島を三邪飛に打ち取り5回まで無失点で切り抜ける。

 名古屋は6回、先頭の大沢清が三塁線を破る二塁打、加藤正二四球、中村がセオリー通り三前に送りバントを決めて一死二三塁、服部の遊ゴロに三走大沢がホームに突っ込むがショート白石からのバックホームにタッチアウト。二死一三塁となって三浦が右前にタイムリーを放って3-0としてなお二死一三塁、三浦が二盗を決めて二死二三塁、ここで牧の遊ゴロを名手白石が一塁に悪送球する間に三走服部に続いて二走三浦も還って5-0とする。

 ジャイアンツは6回は三者凡退。7回は二死後白石が中前打を放つが水原は右飛に倒れる。8回も二死後リベラの左前打と中尾輝三の四球で二死一二塁とするが井上は投ゴロに倒れる。

 ジャイアンツは最終回、先頭の吉原が四球で出塁、7回からマウンドを降りてファーストに入っている川上が右翼線にヒットを放って無死一三塁、川上に代走山本栄一郎が起用される。トップに返り白石は三振に倒れるが水原が左前にタイムリーを放って1-5、千葉も右前打で続いて一死満塁、ここで三走山本がホームスチールを決めて2-5、二走水原と一走千葉は動いていないので山本栄一郎の単独本盗であろう。しかし中島は二飛、リベラも一ゴロに倒れて名古屋がジャイアンツを5対2で降す。

 中村三郎は9安打を浴びながら5四球2三振で完投、プロ入り初勝利を飾る。まさかプロで投げることになるとは本人も考えていなかったのではないか。松尾幸造、西沢道夫、村松幸雄が戦線離脱したためであることは言うまでもないところ。

 翌日の読売新聞によると前半は「巨人軍は中村の剛球を打ちあぐんで3回まで無安打に苦しんだ」、後半は「怜悧な中村は球速の衰えを知ると6回から鋭いカーブを多投して巨人軍の打者を面食らわせ巧みにインシュートを交えて巨人軍の打棒を封じて9回に至った。」とのことである。


 2打数1安打2得点1打点2四球と活躍した三浦敏一は諏訪蚕糸では中村三郎の四年後輩となる。このところルーキー服部受弘にキャッチャーの座を奪われていたが本日はファーストで出場して大活躍、中村先輩を助けた。


 八番レフトでプロ入り初スタメンの牧常一がラッキーボーイとなった。3回の先制打は、翌日の読売新聞によるとライト中島からのバックホームは二走服部を刺せるタイミングであったが、中継に入ったピッチャー川上がカットして三塁に送球したため服部の生還を許したもので、一走三浦の三進も防げなかった。6回の遊ゴロは白石のエラーを誘い、貴重な追加点となった。牧は一宮中学(現・愛知県立一宮高等学校)の出身。プロ野球界には数の上では多くの人材を送り込んではいないが、牧の5年先輩の森弘太郎、2年後輩となる林安夫と二人の30勝投手を輩出している。


 それにしても中島治康の打撃不振は深刻なものとなってきた。この日も再三好機で打席を迎えながら5打数無安打、三番千葉と五番リベラが2安打ずつであったが機能していない。






     *中村三郎が完投でプロ入り初勝利を飾る。










*プロ入り初スタメンの牧常一がラッキーボーイとなる。




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