2010年11月16日火曜日

12年秋 阪急vsジャイアンツ 7回戦

11月17日 (水) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 10  計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0 阪急             16勝25敗3分 0.390 中田武夫
0 0 0 0 0 0 0 0 0 1X  1 ジャイアンツ 29勝15敗       0.659 澤村栄治


勝利投手 澤村栄治 8勝5敗
敗戦投手 中田武夫 3勝7敗


三塁打 (ジ)中島、永澤


澤村栄治、延長10回完封、自らサヨナラ打


 阪急は初回、先頭の西村正夫が四球で出塁するが黒田健吾の遊ゴロでゲッツー。ジャイアンツは1回裏、こちらも先頭の前川八郎が四球で出塁するが筒井修の遊ゴロで二封、筒井が中田武夫の牽制に刺されて無得点。

 ジャイアンツ先発澤村栄治は4回まで西村の内野安打1本に抑え4三振を奪う好投。阪急先発中田も3回まで無安打、4回二死後中島治康に中越え三塁打を許すが後続を抑える。

 阪急は6回、先頭の西村がこの日2本目のヒットを左前に放つが黒田左飛、山下実、山下好一は連続三振に倒れて無得点。ジャイアンツは7回、先頭の伊藤健太郎左前打、白石が送って一死二塁とチャンスを迎えるが永澤富士雄、内堀保と連続内野ゴロに倒れて無得点。阪急は9回、二死後山下好一がこの日チーム3本目のヒットを放つが得点無し。9回裏のジャイアンツは三者凡退。この試合は第三試合のため延長戦に突入する。

 澤村は10回表、先頭のジミー堀尾文人をサードフライに打ち取ったかに見えたが名手水原がエラー、宇野錦次が送って一死二塁、しかし代打山田勝三郎、中田武夫が連続三振。澤村は10回まで12三振を奪う力投。阪急はキャッチャー島本義文に代打山田を送ったため10回から大原敏夫がマスクを被る。

 ジャイアンツは10回裏、先頭の永澤富士雄が右中間に三塁打を放ち、代走に平山菊二を起用。内堀の当りはピッチャーを襲い内野安打となるが平山は動けず無死一三塁、ここで左打席に入った澤村がセンターにサヨナラ打を放ってジャイアンツが1対0で勝利を収める。

 剛の澤村に対する柔の中田による投げ合いは歴史に残る名勝負といえるが残念ながら歴史に埋没してしまっている。

 中田武夫は9回3分の0を投げて5安打3四球1死球2三振。中田は前回登板の11月11日対名古屋7回戦でも5安打完封しており現在絶好調。本日もシュートが冴えて内野ゴロはエラーも含めて18を数えた。4回に伊藤健太郎に死球を与えているが、前回登板時も1死球、春季リーグ戦4月18日にタイガースを1点に抑えて完投した時も2死球を与えている。死球を与えるくらいシュートが切れているかが中田のピッチングのバロメーターとなる。

 一方澤村栄治は3安打3四球12三振、今季一番の出来で延長10回を完封し、自らサヨナラヒットで決着をつける。なお、ランナーが三塁にいるためスコアブックに残された記録は中前のシングルヒットとなっているが、翌日の読売新聞には「中堅頭上」を抜けたと記されている。
 
 1973年8月30日、江夏豊は延長11回をノーヒットノーランに抑えて自らサヨナラホームランで決着をつけた。「江夏、大バンザイ」の実況はユーチューブで見ることができます。




*澤村と中田による歴史的投げ合いを物語るスコアブック




*澤村サヨナラヒットの場面




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